2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田邊 新一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30188362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩下 剛 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (90253905)
中野 淳太 早稲田大学, 理工学部, 助手 (30350482)
木村 建一 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (50063558)
秋元 孝之 関東学院大学, 工学部, 助教授 (30318894)
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Keywords | 知的生産性 / プロダクチビティー / 疲労 / 作業成績 / 温熱環境 / 室内空気質 |
Research Abstract |
室内環境が知的生産性に与える影響を評価するツールを開発することを目的とし、被験者実験により知的生産性を精度よく評価できる手法を検討した。 1.高温環境が知的生産性に与える影響 熱的中立状態として人工気候室の作用温度を25℃に設定した条件に、より高温の環境として作用温度を28℃、33℃に設定した2条件を加えて計3条件とし、コンピュータを用いた複数の作業を被験者に課した。作業成績による評価では環境条件間で統一した見解が得られなかった。作用温度33℃の条件では、疲労の自覚症状の総合訴え率が高く、精神作業・夜勤型の疲労感が生じた。さらに、酸素化ヘモグロビン及び総ヘモグロビン濃度の増加、脱酸素化ヘモグロビン濃度の減少という精神作業時に典型的な脳内酸素代謝の状態が認められた。中程度の高温環境が知的生産性に与える影響を評価する上で、作業成績による評価だけでなく、疲労測定が重要であることが示唆された。 2.自己調節可能な気流環境が知的生産性に与える影響 作用温度30℃、相対湿度50%rhの環境で、被験者本人が気流を調節できる条件とできない条件とでの比較を行った。気流強度の調節が可能な条件の方が、調節不可能な条件よりも有意に気流感が高く、受け入れられる側の申告となった。作業成績による評価では、風速を調節可能及び不可能な条件間で有意な差は認められなかった。作業意欲減退に関する疲労の自覚症状は、気流を被験者自身が調節可能な条件の方が、不可能な条件よりも有意に訴え率が小さかった。気流を自分自身で調節できることにより、作業者の作業意欲減退に関する疲労の症状を低下させる可能性が示された。 その他、湿度環境や室内空気質を対象とした被験者実験を行い、室内環境が知的生産性に与える影響について検討を進めている。以上の成果は、日本建築学会、空気調和・衛生工学会、および国際学会にて発表の予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Nishihara, Y.Yamamoto, S.Tanabe: "Effect of Thermal Environment on Productivity Evaluated by Task Performances, Fatigue Feelings以下入力不能で省略"Proc.of Indoor Air 2002. Vol.1. 828-833 (2002)
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[Publications] 西原直枝, 田辺新一: "自己調節可能な気流環境が知的生産性に与える影響に関する研究"空気調和・衛生工学会学術講演大会論文集. 176-179 (2002)
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[Publications] 陳宇華, 堤仁美, 秋元孝之, 田辺新一: "陳宇華,堤仁美,秋元孝之,田辺新一"空気調和・衛生工学会学術講演大会論文集. 1709-1712 (2002)
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[Publications] 堤仁美, 陳宇華, 秋元孝之, 田辺新一, 鈴木孝佳: "湿度環境と室内空気質が在室者に与える複合環境に関する研究(その2)"空気調和・衛生工学会学術講演大会論文集. 1713-1716 (2002)
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[Publications] 岩下剛, 合原妙美: "ゴムカーペットから放たれる空気汚染物質が一位加算作業の作業効率に及ぼす影響"日本建築学会九州支部研究報告・環境系. (発表予定). (2003)
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[Publications] 池田大, 岩下剛, 合原妙美: "異なる温熱環境が居住者の心理的、生理的反応及び作業効率に与える影響に関する研究"日本建築学会九州支部研究報告・環境系. (発表予定). (2003)