2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205095
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶谷 剛 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80134039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 譲 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40261606)
小野 泰弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30211832)
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
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Keywords | 熱電半導体 / Seebeck効果 / 熱電変換 / PLD法 / 電子顕微鏡 / 非整合周期 / CDW転移 / イオン交換法 |
Research Abstract |
□本年度の研究では、平成14年度に本補助金により導入したパルスレーザー蒸着装置(PLD)が順調に稼働し、次の研究成果を得た。 1.La_<0.7>Ca_<0.3>MnO_3とLa_<0.4>Sr_<0.6>CoO_3およびSrTiO_3のPLD法による成膜に成功した。厚さ5nmから100nmまでの平滑で基板に平行に伝導面のある試料が得られた。 2.PLDチェンバー内のガス圧と蒸着基板の温度を最適化し、基板とターゲット間に機械的遮蔽物を置くことにより、表面荒さ、RMS、が0.5nmの非常に滑らかな酸化物半導体膜も作成に成功している。 3.平滑なヘテロ構造の多層酸化物膜を作成し、Shottkyバリア高さの測定を行った所、La_<0.7>Ca_<0.3>MnO_3とLa_<0.4>Sr_<0.6>CoO_3の系で0.6Vの値を得た。これは熱電子放射型の熱電デバイスを作成する系とすると、バリア高さが高すぎる。 □バルク試料についての研究では次の成果を得た。 1.コバルト系熱電半導体Ca349単結晶薄片をフラックス法で多数作成し、これを鋳型に方位を揃えて丁寧に敷き並べ、スパークプラズマ法で焼結ししてブロック試料を作成した所、バルク試料としては世界で初めて1000Kにて無次元化性能指数ZT=0.4を実現することに成功した。 2.非整合周期を持ったロジューム(Rh)酸化物系とコバルト酸化物系について研究し、次の成果を得た。ロジュームはコバルトとほぼ同じ化学的性質を有する。 2.1 Bi-(Sr,Ba)-Rh-O系熱電半導体の化学組成を電子顕微鏡を利用して決定し、4次元の結晶構造モデルを得た。 2.2 Bi-(Sr,Ca)-Co-O系熱電半導体の化学組成を電子顕微鏡を利用して決定し、4次元の結晶構造モデルを得た。 2.3 γ-Na0.7CoO2を出発原料として、イオン交換法によりNaをBa, CaないしSrと置換した試料の熱電特性と結晶構造解析を行った所、これらの系の大部分が非整合周期をもったCDW相であることが分かった。このCDW相の構造解析も電子顕微鏡観察と粉末X線回折強度解析を利用して実施している。
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Research Products
(14 results)