2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205096
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮山 勝 東京大学, 先端科学技術センター, 教授 (20134497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 祐二 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (60293255)
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Keywords | ビスマス層状構造強誘電体 / 格子欠陥 / 酸素空孔 / 酸素イオン伝導 / ドメイン構造 / 交代層構造 / 圧電応答顕微鏡 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
非鉛系のビスマス層状構造酸化物の層状結晶格子を活用し、従来にない強誘電機能、異物性融合機能を発現させるための材料設計を行い、以下の成果を得た。 1、格子欠陥制御による基礎強誘電物性制御指針の確立 チタン酸ビスマス(BIT)のチタン位置をLaあるいは高価数金属イオンで置換したチタン酸ビスマス単結晶を育成し、強誘電物性とともに高温導電性およびドメイン構造を調べた。WやNbなど高価数金属イオンの置換体では酸素空孔濃度の減少のため大きな残留分極が得られた。それらにさらにMnを加えた系では、リーク電流の減少のためさらに大きな残留分極を示した。高価数金属イオン置換した単結晶では、高温での導電率が無置換体よりも小さく、酸素空孔が減少していることが確認された。一方、La置換体では高温導電率は減少したが、残留分極は無置換体よりも小さい値であった。第一原理計算により欠陥生成エネルギーを求めたところ、ペロブスカイト層において酸素空孔の生成が容易であり、異元素置換により導入された酸素あるいは格子安定化により酸素欠陥量が低減することが明らかになった。これらより酸素欠陥生成が強誘電物性を支配することが実験的、理論的に明らかになった。また、BITにMn置換し導電性を増大させた単結晶で見られた、分極状態の変化による導電率の変化およびそのメモリー効果を鉛系ペロブスカイトにおいても確認でき、新たな機能素子への可能性を見出した。 2、交代相構造強誘電体の作製と物性評価 チタン酸ビスマスとチタン酸バリウムビスマスの交代層構造の単結晶を作製し強誘電物性を評価した結果、これまで最大の残留分極を示すとされていたチタン酸ビスマスよりも大きな残留分極が確認された。組成と結晶構造を詳細に調べた結果、Ba欠損と過剰Biの存在、および酸化ビスマス層のBiの変位が大きな残留分極をもたらすことが示唆された。
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Research Products
(10 results)