2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205098
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大久保 政芳 神戸大学, 工学部, 教授 (30031131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 登代子 神戸大学, 工学部, 教務職員(教育職) (40314504)
南 秀人 神戸大学, 工学部, 助手 (20283872)
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Keywords | 高分子微粒子 / 中空構造 / カプセル化 / 懸濁重合 / 自己組織化 / 相分離 / 粒子径 / 界面 |
Research Abstract |
中空構造を有する高分子微粒子は,隠蔽剤,紙塗工剤としてや断熱材料,さらには薬品を封入することにより,マイクロカプセルとして広範な工業分野で応用されている。本研究代表者は既に独自に提起しているモノマー膨潤法を駆使することにより,ミクロンサイズの単分散中空粒子合成に成功しており,この中空粒子の生成機構の検討過程でポリマー/溶剤間の相分離,及び界面への自己組織化が中空構造形成に重要であるという大変興味深い結果を得ている。昨年度は,滴内に溶解させるポリマーの中空形成における役割について,重合の進行にともなう相分離挙動の解析を行い,より高分子量,あるいは多くのポリマーをあらかじめ存在させることにより,別途重合により生成するシェル層形成ポリマーの相分離が促進され,中空粒子が得られやすいことを明らかにした。 本年度は,機能性物質を中空内に担持させることを目指し,上記中空化技術を応用し,中空化溶剤として用いているトルエンの代わりに抗菌性・防カビ性などの薬効を有するヒノキチオールを重合時に同時に存在させることにより,一段階での機能性物質担持カプセル粒子の合成を試みた。その結果,シェル層ポリマーの形成をヒノキチオールが阻害しない条件を選択することにより,ヒノキチオールカプセル化微粒子の合成に成功した。このカプセル化粒子はヒノキチオールの蒸発を極端に低減し,薬剤徐放化に非常に有用であることを明らかにした。さらに,後処理法による機能生物質担持法として,あらかじめ得られた中空粒子内にペンタカルボニル鉄を含浸させた後,ペンタカルボニル鉄を熱分解させることにより磁性体であるマグネタイトをカプセル化した複合微粒子の合成にも成功した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 大久保政芳: "Production of polystyrene/poly(ethyene glycol dimethacrylate) composite particles encapsulating hinokitiol"J.Appl.Polym.Sci.. 第89巻. 706-710 (2003)
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[Publications] 大久保政芳: "Preparation of micron-sized, monodisperse, magnetic polymer particles"J.Appl.Polym.Sci.. 第88巻. 428-433 (2003)
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[Publications] 大久保政芳: "Micron-sized, monodisperse polymer particles having reversibly transfomable shapes"Progr.Colloid Polym.Sci.. 第124巻. 42-46 (2003)
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[Publications] 大久保政芳: "Production of hollow particles by suspension polymerization of divinylbenzene with nonsolvent"Progr.Colloid Polym.Sci.. 第124巻. 54-59 (2003)
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[Publications] 大久保政芳: "Size effect of monomer droplets on the production of hollow polymer particles by suspension polymerization"Colloid Polym.Sci.. 第281巻. 302-307 (2003)
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[Publications] 大久保政芳: "Preparation of multihollow polymer particles by the alkali/cooling method under partial neutralization conditions"Macromol.Symp.. 第195巻. 115-122 (2003)
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[Publications] 大久保政芳: "Influence of nonionic emulsifier included inside carboxylated polymer particles on the formation of multihollow structure by the alkali/cooling method"Colloid Polym.Sci.. 第282巻. 193-197 (2004)