2004 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス合金の集束イオン照射誘起ナノ結晶化とその自己方位配向
Project/Area Number |
14205101
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
肥後 矢吉 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (30016802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 和希 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (60163193)
下条 雅幸 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00242313)
石山 千恵美 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00311663)
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Keywords | ナノ結晶 / 集束イオンビーム照射 / アモルファス合金 / 自己組織化 / 方位配向 / 磁性 |
Research Abstract |
高S/N比を持つ超高密度磁気記録ディスクを実現させるためには、磁気記録の単位である結晶のサイズを数ナノメートルまで微小化し、かつ記録精度を向上させるために結晶を特定の方位にそろえることが必要となる。ところで、材料に高エネルギー粒子線(イオンや中性子等)の照射を行えば、局所的に応力場が発生することが知られている。アモルファス合金は熱力学的に準安定状態であるため、このような高エネルギー粒子線をナノサイズまで集束して照射すれば、照射領域では応力が緩和される方向へ配向したナノ結晶が析出すると推測される。また、この手法では集束イオンビームを走査することで、広範囲かつ均一に分散したナノ結晶を作製することが可能であり、磁気記録媒体への応用も容易であると考えられる。昨年度までの研究で、集束イオンビーム照射により、アモルファス合金表面の広範囲に結晶方位を配向させたナノ結晶を析出させることに成功している。そこで本年度は、磁気記憶媒体へ応用する場合に重要なナノ結晶相のパターンニングとナノ結晶粒径の最適化を試みた。試料には昨年と同様に、Ni-P系アモルファス合金薄膜を用いた。昨年度までの結果より、薄膜表面に対して0度方向より照射を行うとナノ結晶が生成し、90度方向より照射を行なうとナノ結晶が生成しないことが明らかとなっている。このことは、90度方向よりイオン照射を行なうと、ナノ結晶を消滅できることを意味している。そこでまず薄膜表面と平行に収束イオンビーム照射し、ナノ結晶を生成させておき、その後、90度方向よりイオン照射を行ない、透過電顕観察を行った。その結果、90度照射を行った領域のみナノ結晶が消滅し、ナノ結晶のパターンニングが可能であることがわかった。また、ナノ結晶を生成させる前に適切な熱処理を行うことで、ナノ結晶の粒径制御も可能であることが示された。
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Research Products
(4 results)