2005 Fiscal Year Annual Research Report
溶融塩中のカルシウム熱還元・電解再生一体型チタン連続製錬法の開発
Project/Area Number |
14205109
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 亮輔 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80179275)
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Keywords | 酸化チタン / 溶融塩 / 塩化カルシウム / 電気分解 / カルシウム還元 / ジルコニア / 電流効率 / 水素吸蔵合金 |
Research Abstract |
溶融塩を用いた本金属生産方法の提案の原理は、(A)溶融塩熱還元と(B)溶融塩電気化学反応の二つの製造プロセスを組み合わせ、である。熱力学的にTiO2はMgで還元し得るが工業用低酸素濃度TiにはCaの強力な還元力が必要であることは、昨年度までに十分実証した。(B)では電気分解によってCaOからCaを製造し利用する。カソード近傍での還元反応副成生物のCaOは再び電解によって再生される。このようにCa-CaO-CaCl2の構成が重要である。 本年度は、昨年度と同様、(A)と(B)を一体化した溶融塩電解・酸化チタン還元の実証に重点を置いた。酸化物TiO2を指標に、溶融塩である塩化カルシウムCaCl2に溶解している酸化カルシウムCaOを電気分解を用いて強力な還元剤である金属カルシウムCaを効率よく生成させる方法について検討した。Ca生成量の指標とするTiO2もしくは易還元性酸化物のCr203,Nb205,V203等を投入し、還元速度、脱酸速度を調査した。カルシウムおよび酸素イオンの移動と、熱対流、電位、電極形状との相関を調べ、最適な電極の空間配置を検討した。アノードとして炭素電極を用いた場合、発生するCO/CO2(gas)がカソードに発生するCaと反応して全体の電流効率を低下させる副反応の除去のために、昨年度に考案したアノードであるジルコニア酸素透過電極を、上記空間配置を考慮して試験したところ、20倍以上の低酸素低炭素濃度を実現した。 電極の形状と位置、反応容器の形状を系統的に調査して改良を加え、また実用上のニーズを反映して本法によるチタン合金の製造可能性をTi-V,Ti-Al,Ti-Cr-V合金などを例に検討した。これらは市販合金の基本形や水素吸蔵合金であり、これらを酸化物混合体から直接合金にまで還元できた意義は大きく市販合金の製造に大きく前進した。
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Research Products
(12 results)