2002 Fiscal Year Annual Research Report
規則性ナノ空間の特性を活かした新しい触媒反応系の開拓
Project/Area Number |
14205114
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩本 正和 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10108342)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 孝 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手
石谷 暖郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 講師 (50302617)
|
Keywords | ナノ多孔体 / 酸触媒反応 / 不斉酸化 / オリゴメリゼーション / プロピレン生産 |
Research Abstract |
本年度の研究において以下の3点を達成した。これらの成果はいずれも既存の固体触媒では達成不可能とされていたものであり、本研究で提案している「規則性ナノ空間による新しい固体触媒化学の創成」が現実に可能であることを示したものである。 1.ナノ多孔体を用いる新しい酸触媒反応系の開発(岩本) 我々はシリカ系ナノ多孔体が新しいタイプの固体酸として機能すること、細孔径が2nmの時に触媒活性が最大になること等を見いだしている。本年度は、他の炭素-炭素結合生成反応に研究を拡張した。これまでにディールスアルダー反応、向山-アルドール反応に本触媒系が高い活性を示すことを明らかにした。特に、アルドール反応ではアセタールに対して高い触媒活性を示し、その収率は97%にも達した。これはこれまでの有機化学の常識に反する結果であり、さらに検討を進める予定である。 2.分子認識能を有する新規固体触媒の開発および不斉増殖活性の検討(石谷) 当研究室では世界で初めて固体触媒によるスルフィドの不斉酸化を実現した。本年度は更に高選択的な不斉酸化の実現を目指した。また、不斉発現機構の解明を試みた。溶媒、反応温度、活性点作成法、配位子等の条件検討を行い、現時点で、不斉活性点の効率的作成および高効率不斉配位子の設計に成功し、立体選択性が50%eeを越えるまでになった。 3.ナノ多孔体触媒の気相接触反応系への拡張(山本) ナノ多孔体を気相接触反応系に拡張することを試みた。本年度は、エチレンのオリゴメリゼーションを検討し、Ni担持系がブテン、プロピレンの生成に高活性であることを見出した。前者が触媒的に進行することはNi/SiO_2系で知られていたが、活性低下が激しく実用に耐えなかった。一方、後者の反応はこれまで全く知られていなかった反応で、現在の石油化学産業のパラダイムシフトに対応できる反応として注目される。(781字)
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] M.Iwamoto, H.Kitagawa, Y.Watanabe: "Highly Effective Removal of Arsenate and Arsenite Ion through Anion Exchanged on Zirconium Sulfate-Surfactant Micelle Mesostructure"Chem. Lett.. 31. 814-815 (2002)
-
[Publications] H.Ishitani, M.Iwamoto: "Selective Aldol Reactions of Acetals on Mesoporous Silica Catalyst"Tetrahedron Lett.. 44. 299-301 (2003)
-
[Publications] E.Kikuchi, K.Segawa, M.Iwamoto: "Third International Conference on Environmental Catalysis"Appl. Catal. B : Environmental. 41. 1-2 (2003)
-
[Publications] 八尋秀典, 岩本正和: "Cu-ZSM-5と一酸化窒素の直接分解反応"触媒. 45. 26-28 (2003)
-
[Publications] 岩本正和: "環境触媒技術"化学便覧応用化学編,日本化学会編. 273-277 (2003)
-
[Publications] 岩本正和: "吸着"化学便覧応用化学編,日本化学会編. 289-294 (2003)
-
[Publications] M.Iwamoto, H.Yahiro: "Zeolites in Science and Technology of Removal of Nitrogen Monoxide"Handbook of Zeolite Science and Technology. 951-988 (2003)