2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205125
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 潤一 京都大学, 工学研究科, 教授 (30127170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊丹 健一郎 京都大学, 工学研究科, 助手 (80311728)
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Keywords | フェイズタグ / 液相合成 / 酸・塩基抽出 / 多置換オレフィン / タモクシフェン / カップリング反応 / 多様性指向合成 |
Research Abstract |
前年度に引き続き新しい液相有機合成に不可欠な汎用分離法としての、フェイズタグを利用した酸・塩基抽出法の開発を行っている。その中でも本年はピリジルシリル基をフェイズタグとするtamoxifen合成および類縁体合成を行った。Tamoxifenは現在最もよく用いられている乳がんの治療薬のひとつであり、それ以外の疾病に対する潜在的な治療薬としても非常に注目を集めている化合物である。Tamoxifen類縁体の迅速合成が新治療薬開発のみならず、薬理機構の究明に繋がると期待されているが、tamoxifen型の四置換オレフィンの選択的かつ多様性指向合成は容易ではない。 本研究で開発した合成法は、(1-butynyl)dimethyl(2-pyridyl)silaneを原料とし、(1)Cu触媒によるAr^1Mglの位置・立体選択的なカルボマグネゼーション、(2)Pd触媒によるアルケニルマグネシウム化合物とAr^2-lとのKumada-Tamao-Corriuカップリング反応、(3)アルケニルケイ素化合物のアルケニルホウ素化合物への変換反応、(4)Pd触媒によるアルケニルホウ素化合物とAr^3-lとのSuzuki-Miyauraカップリング反応からなる。薬理活性発現に寄与するとされている3つのアリール基はすべて有機ヨウ化物由来である。また加える有機ヨウ化物の種類と順番を換えるだけで、多様な構造をもつtamoxifen型四置換オレフィン骨格が、選択的に構築できる。 そのほか、新しいフェイズタグとしてピリミジルシリル基やピリミジルチオ基についても検討を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Itami, T.Kamei, J.Yoshida: "Diversity-Oriented Synthesis of Tamoxifen-type Tetrasubstituted Olefins"J.Am.Chem.Soc.. 125. 14670-14671 (2003)
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[Publications] Jun-ichi Yoshida, Kenichiro Itami: "ELECTRONIC ENCYCLOPEDIA OF REAGENTS FOR ORGANIC SYNTHESIS"2-Pyridyldimethylsilane. RN00386 (2003)