2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205125
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 潤一 京都大学, 工学研究科, 教授 (30127170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊丹 健一郎 京都大学, 工学研究科, 助手 (80311728)
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Keywords | フェイズタグ / 酸・塩基抽出 / ピリジルシリル基 / 分子内配位 / 制御基 / ライブラリー構築 / 立体選択的合成 / 多置換オレフィン |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、2-ピリジルエチルシリル(2-PyCH_2CH_2Si)基や2-ピリジルシリルメチルシリル(2-PySiCH_2Si)基、ピリミジルシリル基など新規フェイズタグの開発とそれらを用いた合成反応の開発を行った。具体的にはこれらのタグを各種合成ビルディングブロックに導入する方法(タグの導入)、タグの特性を生かした合成反応の開発、およびタグの脱着方法の開発を行った。ピリジルシリル基に比べて、ピリミジルシリル基は酸塩基抽出のためのタグとしての有効性は低かったが、次に述べるように金属への配位能を利用した変換反応には極めて有効であることが明らかとなった。その他、ピリジルスルフィド、ピリジルフェニルシリル基など各種の塩基性官能基も検討したが、ピリジルシリル基に対する優位性は認められなかった。これらのことから、ピリジルシリル基のフェイズタグとしての有用性が再認識された。 また、ピリジルシリル基やピリミジルシリル基などこれまでに開発したフェイズタグを、機能性物質の多様性指向型合成への応用を検討した。ピリジルシリル基は、フェイズタグとして働くだけではなく、金属への配位する能力を生かして各種有機金属反応の制御基としても利用できる。そこで、これらの二つの作用を組み合わせて、一般性の高い多置換オレフィンの位置および立体選択的合成法を開拓し、実際に化合物ライブラリー構築へと展開した。具体的には、3置換エチレンや4置換エチレン、4置換1,3-ジエン等の立体選択的な合成を迅速に行うことがで、それらのライブラリーを構築するとともに、蛍光などの機能の迅速探索にも役立てることができた。
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Research Products
(6 results)