2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14205128
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竜田 邦明 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40051627)
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Keywords | 生理活性物質 / ナノバイオサイエンス / 構造-活性相関 / 天然物 / 全合成 / 抗生物質 / 有機工業化学 / 医薬品 |
Research Abstract |
多様な生理活性を併せもつ天然生理活性物質(天然物)においては、ある活性が他の活性の副作用として働き、実用化に問題を生じる場合が少なくない。 本研究は、多様な生理活性をもつ天然物を全合成することを第一の目的とし、つぎに、その方法を用いて種々の構造ユニットを合成し、それらの構造-活性相関を研究して、それぞれの活性発現に必要な最小ユニットを明らかにし活性分離することを第二の目的とする。さらに、天然物より優れた生理活性や天然物とは異なる新しい活性をもつ化合物を創成することを第三の目的とし、有用物質の工業的製法の開発を最終目的とする。平成14年度の研究成果は下記の通りである。 1)インスリン受容体活性作用と抗菌作用を有するアステリキノン類の全合成を完成した後、数種の類縁体を合成し構造-活性相関研究を行った結果、天然物より強いインスリン受容体活性を示す化合物を見いだした。 2)テトラサイクリンの初の全合成を完成した後、その合成法を活用して、制がん作用と抗菌作用を有する四環性天然物UCE6の全合成も達成した。その合成中間体の生理活性を検討した。 3)エストロゲン拮抗作用と抗菌活性を有するナピラジオマイシン類の初の全合成を完成し、塩素原子を含まない中間体がエストロゲン拮抗作用のみを示すことを見いだした。 4)抗菌活性、免疫抑制作用、骨吸収阻害活性などを有するルミナシン類の初の全合成を完成し、絶対構造を確証した。さらに、構造-活性相関研究を行い、活性本体が糖質部分ではなく芳香環部分であることを見いだし、天然物と異なる活性を示す化合物を創製した。 5)シクンシ科の根茎から制がん作用と抗HIV作用を示すエラグ酸誘導体を単離し、相対構造を決定した後、全合成を行い絶対構造も明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Tatsuta: "Isolation and Structural Determination of Spilaclesides A and B Having a Novel 1,3-Dioxolan-4-one Ring"Tetrahedron Letters. 44. 2737-2739 (2003)
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[Publications] K.Tatsuta: "Synthetic Inhibitors of Protein-rich Ligand-mediated Pretein-protein Interaction : Potent Analogs of UCS15A"Chemistry & Biology. (in press). (2003)
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[Publications] K.Tatsuta: "Isolation and Synthesis of a New Bioactive Ellagic Acid Derivatives from Combretum yunnanensis"Journal of Natural Product. (in press). (2003)
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[Publications] K.Tatsuta: "Total Synthesis of a Tetracyclic Antitumor, UCE6"Journal of Antibiotics. 55(12). 1046-1080 (2002)
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[Publications] K.Tatsuta: "The First Total Synthesis of Napyradiomycin A1"Chemistry Letters. 2002(1). 14-15 (2002)
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[Publications] K.Tatsuta: "Carbohydrate Synthons in Natural Products Chemistry -Synthesis, Functionalization, and Applications"American Chemical Society, Washington, DC, USA. 210 (2002)
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[Publications] K.Tatusta: "My Favorite Organic Synthesis"化学同人、京都. 253 (2002)