2004 Fiscal Year Annual Research Report
有機メッキ法を用いる有機積層膜の層数制御とその物性
Project/Area Number |
14205134
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
森 邦夫 岩手大学, 工学部, 教授 (80003870)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 健司 岩手大学, 工学部, 教授 (10003881)
大石 好行 岩手大学, 工学部, 助教授 (90194076)
小川 智 岩手大学, 工学部, 助教授 (70224102)
|
Keywords | 有機メッキ法 / トリアジンジチオール / 2本鎖アルキル基 / 結晶性 / 無定形 / 濃度 / 電流密度 / Y-タイプLB膜 |
Research Abstract |
平成16年度の研究実績を以下に報告致します。 置換基にジエチル基、ジブチル基、ジヘキシル基、ジオクチル基およびジデカン基を有する6-置換基-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(RTD)を合成した。これらをステンレス板(Ra:4nm)上で電解重合して被膜の性能をIRスペクトル、XPS分析および小角X線解析などから検討を行った結果以下の知見を得た。 (1)被膜は電流密度が0.05mA/cm^2以下の時、0.1mmol/dm^3以下のRTD濃度では放物線則に従って増加し、主に無定形の被膜が生成することが明らかとなった。これは被膜形成の律速過程が拡散過程であるので高分子鎖が逐次反応的に生成するためであることが明らかとなった。 (2)被膜は電流密度が0.05mA/cm^2以下の時、0.1mmol/dm^3以上のRTD濃度では直線則にしたがって増加し、主に結晶性の被膜が生成することが明らかとなった。これは被膜形成の律速過程が電荷移動過程であるので高分子鎖が連鎖反応的に生成するためであることが明らかとなった。 (3)電流密度が0.05mA/cm^2以上になると、直線則に従うRTD濃度は高くなり、その濃度以下では放物線則に従い無定形被膜が、またその濃度以上では結晶性被膜が生成することが明らかとなった。 (4)しかしながら、6-ジエチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(DE)は濃度や電流密度の変化に関わらず、被膜は放物線則に従って生成し、無定形であった。これはDEが電極表面で疎水結合による配向膜を形成しないためである。 (5)また、6-ジデシルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(DD)は濃度や電流密度の変化に関わらず、被膜は放射線則に従って生成し、無定形であった。これはDDが電極表面でアルキル鎖の立体障害により配向膜を形域しないためである。 (6)結晶膜はY-Typeの2分子積層膜であることがX線測定結果から明らかになり、層間隔は計算値より若干小さかった。
|
Research Products
(4 results)