2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機メッキ法を用いる有機積層膜の層数制御とその物性
Project/Area Number |
14205134
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
森 邦夫 岩手大学, 工学部, 教授 (80003870)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 健司 岩手大学, 工学部, 教授 (10003881)
大石 好行 岩手大学, 工学部, 助教授 (90194076)
小川 智 岩手大学, 工学部, 助教授 (70224102)
|
Keywords | 末端不飽和基 / 電流効率 / 反応速度定数 / 層数成長速度定数 / 三次元化率 / X型膜 |
Research Abstract |
平成17年度の研究成果を以下に報告いたします。 以下の6-(R_1R_2)amino-1,3,5-triazine-2,4-dithiol mono sodium(R_1:alkyl groups, R_2:endunsaturated alkyl groups)を4種類合成した。 DDTT:R_1=C_<10>H_<21>-,R2=CH_2=CHC_8H_<17>-,BDTT:R_1=C_4H_9-,R_2=CH_2=CHC_8H_<17>-,DATT:R_1=C_<10>H_<21>-,R_2=CH_2=CHCH_2-,BATT:R_1=C_4H_9-,R_2=CH_2=CHCH_2-,これらのトリアジンジチオール類(5mmol/L)と0.1mol/L-Na_2CO_3の水溶液中(pH:11.7)でステンレスの電解重合を0.02mA/cm2も電流密度、温度40℃で行った。反応速度r=atで示され、それぞれの反応速度定数aは以下の通り増加した。a_<BATT>=0.44<a_<DDTT>=2.7<a_<DATT>=8.1<a_<BDTT>=13.7(nm/min). また、それぞれの電流効率yは以下の通り増加した。a_<BATT>=30<a_<DDTT>=80<a_<DATT>=83<a_<BDTT>=98(nm/min). DDTT, BDTT, DATT及びBATTの鎖長を1.59nm,及び0.93nmとすると、層数の成長速度R=Atとなり、層数の成長速度定数は以下の順序で増加する。A_<BATT>=0.47<A_<DDTT>=1.7<A_<DATT>=5.1<A_<BDTT>=8.61(層数/min). 反応速度、電流効率、層数成長速度などはアルキル鎖長及び不飽和基の鎖長の影響などを受ける。アルキル鎖長及び不飽和基の鎖長が同鎖長でないほうが立体障害を受けないため、高い反応速度や電流効率が得られる。 以上の結果から、電解重合時間の制御により一定の層数の皮膜が得られることが分かった。 不飽和基を有するトリアジンジチオールは電解重合すると、生成する皮膜はすべて三次元化した溶剤不溶の薄膜に変化する。さらに、皮膜の成長速度rは直線則に沿って増加するので、電荷移動過程が律則反応である。6-ジオクチルアミノ-1,3,5-トリアジン(DOTT)のように飽和置換基のトリアジンジチオールでは同じような電解重合挙動を示すが三次元化しないため皮膜は溶剤に可溶となる。この時の薄膜はLB膜のY型膜に類似しているが、不飽和基含有トリアジンジチオールから得られる三次元化薄膜はLB膜のX型膜である。このX型膜は三次元化されているため、熱などにより再配列することは殆んどなく、非線形光学材料やコンデンサー材料として有効であると考えられる。
|
Research Products
(5 results)