2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14205141
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
上杉 邦憲 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙航行システム研究系, 教授 (40013693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田北 勝彦 三菱重工業(株)長崎研究所, 強度研究室, 主席研究員
澤井 秀次郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙航行システム研究系, 助教授 (30270440)
佐藤 英一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙構造・材料工学研究系, 助教授 (40178710)
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Keywords | セラミックス / スラスタ / CMC / 二液推進系 / RCS / モノリシックセラミックス |
Research Abstract |
1.CMC製造プロセス確認試験 平成14年度に実施したSN282-CMC接合試験片強度試験において、焼成炉内への大気混入による繊維のBNコーテイングの酸化、焼失に起因すると思われる強度低下(予測強度の半分程度)が生じた。そこで製造設備の改善(酸化防止)を実施した上で製造した供試体を用いて曲げ試験を実施し、プロセス改善の妥当性を確認した。 強度評価は円筒状供試体から切り出した試験片の3点曲げ試験により行った。その結果CMCが予想通りの曲げ強度を有していること及び荷重・変位関係から脆性的な破壊を生じないというCMCの特性が良好に発現していることが確認された。以上より、今回実施したCMC製造プロセス適性化の妥当性が確認出来た。但し、破壊時の亀裂が主に層間方向に進展する現象が見られ、層間強度の向上に更なるプロセス改善が必要であることが分かった。 2.500N級スラスタ燃焼試験 窒化珪素系モノリシックセラミックスの二液スラスタに対する強度評価(耐圧弾度、耐熱性)を行うために、500N級窒化珪素系モノリシックセラミツクス製燃焼器を用いた燃焼試験と詳細な解析を実施した。 燃焼試験において、推薬弁開と同時に燃焼圧は正常に立ち上がり、失火、爆燃等の異常撚焼は見られず、安定した燃焼をすることを確認した。また、燃焼試験後も燃焼器に異常は認められず、本材がスラスタの燃焼器材料として十分な耐性を有することが確認出来た。 赤外放射温度計で計測した燃焼器温度は、従来の金属製スラスタと比較して低く、モノリシックセラミックスの耐熱温度に対して十分な余裕がある一方、スラスタ性能は従来とほぼ同程度であった。このことから、今後インジェクタ部の設計最適化を行うことにより、従来の金属製スラスタと比較して性能向上が可能との見込みを得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Uesugi, E.Sato, S.Sawai, K.Takita, Y.Nonaka, H.Mishima: "Development of Ceramic Thruster for Reaction Control System"Proceedings of 10th International Space Conference of Pacific Basin Societie, Tokyo, Dec.2003. (to be published). (2004)
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[Publications] 上杉邦憲, 佐藤英一, 澤井秀次郎, 野中吉紀, 田北勝彦, 他: "500N級セラミックススラスタの破壊確率評価"金属学会2004年春季大会講演会講演概要集. 80-80 (2004)