2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205141
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
上杉 邦憲 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙航行システム研究系, 教授 (40013693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 英一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙構造・材料工学研究系, 助教授 (40178710)
澤井 秀次郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙航行システム研究系, 助教授 (30270440)
田北 勝彦 三菱重工業(株)長崎研究所強度研究室, 主席研究員
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Keywords | スラスタ / 衛星 / 推進系 / セラミックス |
Research Abstract |
昨年度の実験結果を受けて、セラミック一体成形スラスタ形状の再設計を実施した。具体的には、スラスタへの着火時の衝撃的な圧力変化や温度変化に対応し、かつ、定常燃焼状態における性能劣化を抑えることを目的として、インジェクタ部の応力緩和のための取付構造変更設計や、ノズル断面形状の変更設計を実施した。これらの設計変更によりセラミックスラスタの実現可能性が実証されれば、従来の金属製スラスタより、信頼性が高く、かつ、性能が高いスラスタを得ることができると期待される。本年度は、この設計変更結果をもとに500N級セラミック製スラスタを試作し、地上燃焼試験を実施した。この試験結果の詳細解析を実施することで、セラミック製スラスタを現実の宇宙機に適用することの可否がほぼ明らかになる。 セラミックの一体成形スラスタの地上燃焼試験を実施する一方で、ノズル部をCMCで製作し、それを接合する技術の研究も実施した。この研究を実施した大きな目的は一体成形スラスタの製作性に対する懸念であるが、その他にも、宇宙空間にあるスペースデブリやマイクロメテオロイドの影響を軽減することも期待される。宇宙空間には多数のちり状の飛散物が存在しており、これが衛星に衝突することが懸念されている。衛星の中でも、大型スラスタのノズルは宇宙空間に大きく突き出しているため、衛星の他の部位と比較して、飛散物が衝突する確率は無視できない。そのため、ノズルに使用する材料は、衝撃力に対して、ある程度の強度を有することが望ましい。そのため、本年度は、CMCをノズル材料とするための接合技術を検証した。昨年度明らかになった、接合部焼成時の酸化現象問題を、プロセス管理により回避することで、衛星用スラスタとして要求されるレベルの接合が実現可能であることがわかった。
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Research Products
(2 results)