2005 Fiscal Year Annual Research Report
海中微生物探査のためのマイクロ現場分析システムの開発
Project/Area Number |
14205147
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 貴富喜 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20322688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 輝夫 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30251474)
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Keywords | マイクロ流体デバイス / 現場分析装置 / 遺伝子解析 / 深海 / IISA-Gene / PCR / 微生物 / PDMS |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に製作した現場型遺伝子解析装置(IISA-Gene : Integrated In Situ Analyzer-Gene)のプロトタイプについて,引き続きその反応効率や耐環境性等に関する性能評価を進めると同時に,実際に深海等の極限環境下で使用可能な装置として完成させ,さらに現場運用まで行うことができた. 現場運用を可能とするため,チタン製耐圧容器(最大耐圧600MPa)に各種制御用電装系を収納すると同時に,外部に露出する溶液操作部をステンレス製箱形容器に収納し,不活性液体(フロリナート)を用いて油漬にした.これにより実海域での動作試験と計測実験が可能となった. 具体的には,まず,マイクロチップ上で遺伝子解析を行うための温度制御と送液動作のための回路基板に加えて,LEDや光電子増倍管(PMT)などの検出に用いる装置類を耐圧容器に収納するため,容器内部における基板類の配置や配線などを考慮し,取り付けを行った.また,光学的検出に必要な光ファイバについては,ガラス製光ファイバ(コア径200μm)がステンレス製フランジを貫通した構造を有する「耐圧光ファイバコネクタ」を新たに製作・評価し,実際にIISA-Geneにおいて使用することができた. 製作したIISA-Geneについて深海環境での動作試験を行うため,海洋研究開発機構の調査船「なつしま」および無人探査機「ハイパードルフィン」を用いた調査航海を平成17年度5月に実施し,南西諸島・石垣島沖海底に確認されている熱水噴出地帯(鳩間海丘・水深約1400m)に実際にシステムを投入した.その結果,現場海水の導入から目的とした遺伝子断片(16S rDNA遺伝子)のフロースルーPCRによる増幅・検出まで,一連の動作を確認できた.
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