2004 Fiscal Year Annual Research Report
マグマ〜熱水系の統一的理解と深部火山エネルギー抽出の再検討に関する研究
Project/Area Number |
14205152
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江原 幸雄 九州大学, 工学研究院, 教授 (10002346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸井 龍一 九州大学, 工学研究院, 教授 (50108768)
藤光 康宏 九州大学, 工学研究院, 助教授 (10264095)
西島 潤 九州大学, 工学研究院, 助手 (40315114)
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Keywords | 火山エネルギー / 地熱エネルギー / 熱抽出 / 噴火 / 火山 / 九重火山 / モニタリング / 地下構造 |
Research Abstract |
研究対象地域である大分県九重火山地域において、火山中心部および周辺地域を含む観測ネット(傾斜計観測ネット、GPS観測ネット、地震観測ネット)を展開し、引き続き、熱エネルギー・歪みエネルギーの蓄積・放出過程を計測するとともに、検討を行った。また、本年度は、特に、詳細な物理学的過程を取り入れたマグマ冷却過程の解析アルゴリズムを開発し、地下数km深に貫入・定置されたマグマの冷却過程の検討を開始した。主な研究結果は以下の通りである。 1)地震観測の結果、1995年水蒸気爆発後、上昇していた浅部の地震活動が引き続き低下していることを確認するとともに、一方、逆に深部の地震活動は増加傾向にあることを明らかにした。これは、水蒸気爆発後の火山体中心部への地下水の流入による火山体深部の冷却を反映していると判断される。 2)地盤変動観測結果からは、1995年水蒸気爆発後、火山体中心部は短周期の膨張・収縮を繰り返しながらも、収縮傾向が継続していることを明らかにした。 3)地磁気繰り返し観測の結果は帯磁の傾向を示しており、火山体が引き続き、冷却していることを明らかにした。 4)火山噴火のアナログモデルとしての間欠泉の温度観測を行い、人工的熱抽出による火山活動制御の可能性のための実験の準備を開始した。 5)マグマ冷却の数値モデリングの結果、発泡に伴うH2Oの分離・マグマ上部への濃集により、マグマ内が上部と中・下部の2層に分離されることを明らかにした。上昇したH2O気泡が上部の地層内に供給され、熱水系が発達する過程についての研究は、次年度に行う予定である。すなわち、マグマ〜熱水系の統一的理解に一歩近づいてきた。
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Research Products
(6 results)