2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネ胚乳アミロペクチンの分枝構造の遺伝的変換に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14206003
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 光 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70128031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊丸 敏博 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00284555)
花城 勲 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30336325)
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Keywords | イネ / 胚乳澱粉 / アミロペクチン / 遺伝子資源 / 突然変異 / 澱粉生合成酵素 / 化学変異原 / 成分育種 |
Research Abstract |
1.枝作り酵素BE IIa変異遺伝子(sbe 2m)の構造解析 EM19はBEIIa酵素はほぼ正常に発現するものの活性が1/16以下に低下し、sbe2遺伝子座のミッセンス変異(sbe2m)と考えられた。変異部位解析を行ったところ、cDNA内にG1946Aの塩基置換が見出され、アミノ酸配列では第13エクソン内でGly499Aspへと置換していた。変異部位は本酵素が有する3種のアミラーゼドメインの第2活性中心の近傍にあり、中性アミノ酸から酸性アミノ酸への変異がBEIIa活性の低下とNative-PAGEにおける移動度の変化をもたらしたものと考えられた。 2.アミロペクチン変異体の生理・生化学的特性解析 sbe2m変異玄米の粒型や粒重、澱粉蓄積量は野生型とほぼ同等で、外観にも差異は認められなかった。また、アミロース含有率もほぼ同等であった。アミロペクチン鎖長分布は野生型に比べ若干短鎖が増加したが、有意な差異は認められなかった。これに対して糊化特性は大きく異なり、糊化熱量が著しく増大し、BEIIbを欠損(ae)変異澱粉同様、糊化開始温度や糊化終了温度が高くなる傾向が認められた。これらの結果から、BEIIaはアミロペクチン結晶構造形成に関与することが強く示唆された。 3.アミロペクチン変異胚乳細胞の免疫組織化学的解析 アミロペクチン分枝のトリミングに関わるイソアミラーゼ(ISA)はアミロプラストのストロマに存在することが示された。一方、ISA欠損変異(sug1)の胚乳細胞では複粒澱粉の形成が認められず、ISAは複粒澱粉の形成に必須であることが示された。 4.アミロペクチン分枝構造形成に関与する変異体の作製 MNU処理後代について、Native-PAGE/活性染色分析法を用いて可溶性澱粉合成酵素(SSS)に関する変異体の探索を行い、SSSI、SSSII及びSSSIII各々に関わる変異体を得た。
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Research Products
(5 results)