2005 Fiscal Year Annual Research Report
イネ胚乳アミロペクチンの分枝構造の遺伝的変換に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14206003
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 光 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70128031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊丸 敏博 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00284555)
花城 勲 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30336325)
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Keywords | イネ / 胚乳澱粉 / 澱粉生合成酵素 / 成分育種 / 突然変異 / 遺伝子資源 / 澱粉枝切り酵素 / アミロペクチン |
Research Abstract |
(1)新たに同定した変異のRFLPマッピング EM1003は100kDプルラナーゼ型枝切り酵素(PUL)遺伝子変異、EM679及びEM790は可溶性澱粉合成酵素III(SSSIII)の構造遺伝子変異、ならびに、flo1変異は細胞質型Pyruvate Orthophosphate Dikinase (PPDK)の構造遺伝子変異であることが明らかとなった。さらに、インド型品種IR36で見いだされたSSSI活性の低下は、SSSI構造遺伝子変異に起因することが示唆された。また、EM420のGBSS/BEIIb減少変異はは新奇のGBSS及びBEIIb低下因子の2重突然変異であり、両遺伝子は組換え価2%内で互いに密接に連鎖することが明らかとなった。 (2)新たに作出したアミロペクチン分枝構造変異澱粉の糖質化学的評価 SSSIII変異澱粉の見かけのアミロース含有率は29%と野生型(24%)に比べ著しく高く、アミロペクチン鎖長分布はDP37以上の長鎖が顕著に減少し、DP10〜DP35の中間鎖が有意に増加した。これらの結果は、SSSIIIはアミロペクチン長鎖の伸長に関与することを示唆している。また、SSSIII欠損変異澱粉は尿素糊化開始濃度が高く、膨潤度は低下した。一方、PUL欠損変異澱粉はアミロース含有率やアミロペクチン鎖長分布に大きな差異は認められないものの、尿素糊化上清中の溶解澱粉量が有意に増加した。これらの結果は、アミロペクチン変異が新奇澱粉特性の付与に必須であることを強く示唆している。 (3)アミロペクチン変異体の作物・育種学的評価 BEIやlug等多くの変異の原品種への戻し交雑系統では、栽培特性並びに収量特性は野生型とほぼ同等で、育種母本として有用であることが示された。BEIIbやISAでは、欠損変異と共にleaky変異を用いることが有効であることが示された。
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Research Products
(4 results)