2004 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫-バキュロウイルス相関におけるアポトーシスの分子機構解析
Project/Area Number |
14206007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 迪弘 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60111837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 素子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20262892)
新美 輝幸 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (00293712)
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Keywords | バキュロウイルス / 核多角体病ウイルス / アポトーシス / 組換えウイルス / gp64 / 培養細胞 / sf9細胞 / High Five細胞 |
Research Abstract |
カイコ核多角体病ウイルス(BmNPV, Bombyx mori nucleopolyhedrovirus)の宿主域決定にgp64遺伝子が関与しているか否かを明らかにするために、gp64遺伝子組換えたBmNPVを作出し、BmNPVの非許容細胞であるSf9細胞およびHighFive細胞に接種し、組換えウイルスの感染特性を調査した。 野生型BmNPV、Autographa californica NPV(AcMNPV)、およびvBmΔ64/ac-gp64とvBmΔ64/bm-gp64(BmNPVのgp64をAcMNPVのgp64haおよびBmNPVのgp64haで置き換えた組換えBmNPV)を、それぞれSf9細胞とHighFive細胞へ接種し、細胞内でのウイルス粒子局在性を調査した。野生型BmNPVとvBmΔ64/bm-gp64を接種したSf9細胞とHighFive細胞ではVP39シグナルは細胞内に検出されたが、核内には認められなかった。一方、野生型AcMNPVとvBmΔ64/ac-gp64を接種したSf9細胞とHighFive細胞では、核内にVP39シグナルが検出された。続いて、vBmΔ64/ac-gp64とvBmΔ64/bm-gp64のSf9細胞とHighFive細胞における感染を調査した。vBmΔ64/ac-gp64感染HighFive細胞では多角体の形成および子孫ウイルスの複製が認められた。一方、BmΔ64/bm-gp64を感染させたSf9細胞とHighFive細胞、およびvBmΔ64/ac-gp64を感染させたSf9細胞ではウイルスの複製は認められなかった。 以上の結果より、BmNPVは、AcMNPVのgp64遺伝子を獲得することにより、非許容細胞系であるSf9細胞とHighFive細胞の核への侵入能を獲得することが示された。また、HighFive細胞でgp64遺伝子組換えBmNPVの複製が認められたことから、gp64遺伝子はBmNPVの宿主特異性の決定に関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)