2003 Fiscal Year Annual Research Report
ホスファチジルイノシトール3キナーゼによるアクチン細胞骨格の調節の解析とその応用
Project/Area Number |
14206009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福井 泰久 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00181248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 さよ子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80292788)
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Keywords | PI3キナーゼ / ホスファチジルイノシトール / PIP_3 / プレクストリン / 細胞極性 / Gタンパク質 / 細胞接着 / 細胞運動 |
Research Abstract |
ホスファチジルイノシトール3,4,5-三リン酸(PIP3)アナログビーズを用いて得られたPIP3結合タンパク質Swap-70やDef6の機能を解析した。これらのタンパク質をCos7細胞に過剰発現させ、EGFで刺激したところ、Rufflingが促進された。これらのタンパク質のアクチンとの相互作用を検討した結果、あF-アクチンと有意に結合することが判明した。Swap-70にてアクチン結合領域を欠いた変異体を作成したところ、Rufflingを効果的に阻害した。これらのことから、Swap-70やDef6はRufflingを調節する因子であることが示唆された。 これまで、これらのタンパク質はRacの活性化因子であると考えられていたが、今回の解析の結果、Rac-GTPと特異的に結合すること、Rufflingを抑制するSwap-70変異体は活性化RacによるRufflingを阻害すること、RacのEffector domain変異体のあるものはSwap-70やDef6との結合能を失うだけでなく、Rufflingを誘導する能力も失うことなどから、Racの上流というよりRacのEffectorとして下流で働くことが強く示唆された。 Swap-70とDef6のRuffling促進の違いについて検討した結果、Swap-70は細胞周縁のRufflingを促進し、Def6はとげのような形状のRufflingを促進することがわかった。また、両者は似た構造を持っているのにかかわらず、Swap-70はRuffle膜に移行するのに比べ、Def6ではそのような挙動は見られなかった。以上のことからSwap-70とDef6は分子構造は似ているが、異なった働きをしていることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hamaguchi, N., et al.: "Identification of Ribosomal Protein S3a as a Candidate for a Novel PI3-kinase Target in the Nucleus."Cytotechnology. 40. 86-92 (2003)
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[Publications] Onishi, M., et al.: "Role of phosphatidylinositol 3-phosphate in formation of forespore membrane in Schizosaccharomyces pombe."Yeast. 20. 193-206 (2003)
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[Publications] Onishi, M., et al.: "Importance of phosphatidylinositol 3-phosphate in sporulation of Schizosaccharomyces pombe."Biosci.Biotechnol.Biochem.. 67. 1191-1193 (2003)
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[Publications] Iwaki, T., et al.: "Characterization of vps33++, a gene required for vacuolar biogenesis and protein sorting in Schizosaccharomyces pombe."Yeast. 20. 846-855 (2003)
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[Publications] Onishi, M., et al.: "Isolation of suppressor mutants of phosphatidylinositol 3-phosphate 5-kinase deficient cells in Schzosaccharomyces pombe."Biosci.Biotechnol.Biochem.. 67. 1772-1779 (2003)