2002 Fiscal Year Annual Research Report
微生物集団機能を用いた有機性未利用資源の効率的分解と再利用
Project/Area Number |
14206011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 泰夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90114363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 博之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70291052)
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Keywords | 複合微生物系 / コンポスト / 生ゴミ分解 / 農産廃棄物 / 畜産廃棄物 |
Research Abstract |
(1)本研究者らは既に、生ゴミなどの有機性廃棄物を効率的に分解する微生物集団に於いて、優占的に存在する難培養性バクテリアBLx菌を取得している。今年度は、この菌の生理的性質を詳細に調べ、この菌がなぜ集団中で優先的に存在するのか、生ゴミ分解過程においてなにをしているのか、を解明した。 まず本菌の優占的存在の要因が、生ゴミ分解過程に於ける環境、すなわちアルカリ性、高温、高塩濃度にあり、BLxはそのような条件に耐性を示すことが明らかとなった。さらに優占のもう一つの条件、すなわち生ゴミ中の何を分解しているかについては、本菌が蛋白分解酵素を持つことを明らかにした。恐らく本菌は生ゴミ中の蛋白分解に関わっているものと判断した。 (2)農産廃棄物および畜産廃棄物から効率的に高品質のコンポストを生産することのできる微生物集団を経時的に追跡した。その結果、プロセスの前期および後期にそれぞれ優占的になる微生物の存在を確認、コンポスト中からの単離に成功した。これらの微生物はそれぞれ前期および後期の環境条件に適応した性質を示した。 現在、これらの微生物の詳細な生理的性質を検討すると共に、優占種の強化、そのための運転条件の改良等によるプロセスの効率化を検討している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Haruta, Cui, Huang, Li, Igarashi等: "Construction of a stable microbial community with high cellulose degradation ability"Applied Microbiology and biotechnology. 59. 529-534 (2002)
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[Publications] Haruta, Kondo, Igarashi等: "microbial community changes during organic solid waste treatment analyzed by DGGE and FISH"Applied Microbiology and biotechnology. 60. 224-231 (2002)
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[Publications] 五十嵐泰夫, 春田伸: "微生物集団機能を利用した有機性廃棄物の分解と再利用"化学工業. 53(2). 40-44 (2002)