2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチップテクノロジーを利用した生化学分析システムの構築
Project/Area Number |
14206014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安保 充 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (00272443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 素直 長崎大学, 環境科学部, 教授 (00011982)
大久保 明 マイクロ化学技研(株), 技術顧問(研究職)
佐藤 記一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50321906)
藤井 紳一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | マイクロチップ / イムノアッセイ / PDMS / 肥満細胞 / ヒスタミン / マクロファージ / TNF-α / 酵素活性 |
Research Abstract |
本年度の研究実績として、まず、堰構造を構築したガラス製マイクロチップにポリスチレンビーズを導入し、そのビーズ表面において抗原抗体反応を行うイムノアッセイチップの作製および評価を行った。本チップでは昨年までの研究において、熱レンズ顕微鏡による高感度検出方法と組み合わせることで、巻貝一個体中のステロイドホルモン分析などを行ってきた。本年度は、用いる基質の変重や抗体の蛍光標識を行うことで、化学発光や蛍光検出といった他の高感度検出系を導入した。これらの導入により、検出物質の多様化だけでなく装置の小型化、反応選択性の向上などの効果が確認された。 次いで、PDMSマイクロチップ上に導入した細胞を利用した生物活性物質検出システムの構築を行った。昨年までに構築した濾過膜利用型細胞保持システムを利用し、マイクロチップ上での物質検出を行った。特に、ここでは、ラット由来マスト細胞を用いたヒスタミン検出系の構築と、マウス由来マクロファージを利用したTNF-α検出系の構築を検討した。前者は昨年までに細胞刺激応答をマイクロチップ上で確認できており、本年度はより応用的なヒスタミン遊離/遊離抑制試験系の構築を行った。この試験系ではマイクロチップ上で行うことにより、従来方法よりも2桁以上少ない細胞数で、かつ半分の時間で試験を行うことに成功した。また、マクロファージを用いた系では、マイクロイムノアッセイシステムとの組合せにより、短時間かつ高感度に細胞刺激応答を測定することができた。特にアッセイ時間においては、従来の12時間を4時間に低減でき、大幅な時間短縮が可能となった。 また、マイクロチップ上で複数の酵素活性を測定することを目標に、補酵素の蛍光測定法を利用したマルチ酵素活性測定システムの開発を検討した。ここでは、NADを補酵素として用いる脱水素酵素を対象に、生成するNADHの蛍光測定を行うことで複数の酵素反応測定を行った。
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Research Products
(7 results)