2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチップテクノロジーを利用した生化学分析システムの構築
Project/Area Number |
14206014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安保 充 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (00272443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 素直 長崎大学, 環境科学部, 教授 (00011982)
吉村 悦郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (10130303)
佐藤 記一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (50321906)
藤井 紳一郎 産業技術総合研究所, 生体機能工学研究部門, 研究員 (10415739)
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Keywords | マイクロナノデバイス / 環境分析 / 細胞・組織 / システムオンチップ / アレルギー / センサー |
Research Abstract |
本年度の研究業績としては、マイクロチップ中に膜を組み込んだ細胞チャンバを作製し、この膜上で細胞を保持する機構を構築した。膜をマイクロチップ内に保持するには、加工の容易なPDMSポリマーを用いた。膜上で保持した細胞への連続的な送液により、長期間の細胞培養が可能であり、この細胞を利用してバイオアッセイを行った。マイクロチップを用いることで、肥満細胞を利用したヒスタミン遊離試験では、必要細胞数を従来の1/1000程度に低減することができた。また、連続送液を行うことから、細胞からのヒスタミン遊離状態を連続的にモニタリングできるシステムを構築することができた。また、このシステムでは従来報告が少ない浮遊細胞の保持が可能であり、より多様な細胞アッセイシステムに応用可能である。 次に、抗ガン剤感受性試験のためのマルチチャンネルマイクロチップの作製を行った。このチップでは、抗ガン剤溶液と培養液を混合する際に形成される濃度勾配をマルチチャンネルに導入し、そこにあらかじめ培養されていた細胞の生存率から抗ガン剤の感受性を評価した。具体的には胃ガン細胞に5-フルオロウラシルを作用させ、生細胞染色、死細胞染色を行った結果を、既に構築済みの蛍光顕微鏡観察システムで評価した。 以上、本年度はマイクロチップ内での細胞培養を利用した生化学分析システムの構築を行った。さらに、前年度まで行ってきた、ホルモンやサイトカイン類のイムノアッセイチップ、酵素活性検出チップの結果をふまえ、本研究の総合的な評価を行った。
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Research Products
(2 results)