2004 Fiscal Year Annual Research Report
単分散マイクロカプセルおよびナノカプセルの作出と機能発現特性の解明
Project/Area Number |
14206016
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
中嶋 光敏 独立行政法人食品総合研究所, 食品工学部, 部長 (10343815)
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Keywords | 非対称貫通孔 / 貫通型マイクロチャネル乳化 / 単分散エマルション / チャネル / スリット / 水中油滴型工マルション / シリコン基板 / アレイ |
Research Abstract |
新規な単分散エマルション作製用デバイスとして、スリットとチャネルからなる二層構造の貫通孔のアレイである非対称貫通型マイクロチャネル(MC)が加工されたシリコン基板を開発した。作製された基板の大きさは24mm四方であった。基板中央部の10mm四方に非対称貫通型MCが加工されており、約1万個の非対称貫通孔が一定間隔で配置されていた。製作された非対称貫通孔は均一なサイズのスリット(長辺104μm、短辺11μm、深さ21μm)と円形チャネル(直径9.5μm、深さ5.4μm)を有していた。従来の矩形断面(長辺43.4μm、短辺12.7μm、深さ200μm)の対称貫通孔では、分散相として低粘度のデカンを用いた場合に液滴作製が不安定で単分散エマルションを作製することが困難であった。一方、分散相として大豆油に加えてデカンを用いた場合でも、1〜2kPaで非対称貫通孔を通過した分散相は連続相(1.0wt%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液)中で均一なサイズの微小液滴へと安定的に変形する様子が観察された。作製された水中油滴型(O/W)エマルションは、平均液滴径は35〜41μm、変動係数は2%以下と単分散であることが示された。分散相圧力の増加に伴って個々のチャネルからの液滴の作製速度は増加していき、最大で大豆油系で約10個/s、デカン系で約50個/sの単分散液滴がチャネルから安定的に作製された。従って、非対称貫通孔は液滴材料の物性に依存せずに単分散エマルションを安定かつ効率良く作製できる優れた乳化デバイスであることが示された。
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Research Products
(4 results)