2005 Fiscal Year Annual Research Report
都市化が森林からの熱・水・CO2フラックスと境界層構造に及ぼす影響の定量的評価
Project/Area Number |
14206018
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 重昭 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30273212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 岳史 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20152142)
田中 隆文 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助教授 (40192174)
檜山 哲哉 地球水循環研究センター, 助教授 (30283451)
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Keywords | 落葉広葉樹二次林 / 熱収支 / 水収支 / CO2フラックス / 接地境界層 / 乱流観測 / 蒸散速度 / 林床面蒸発量 |
Research Abstract |
瀬戸国有林、東山キャンパスおよびトヨタフォレスタヒルズの落葉広葉樹二次林において、群落内外の微気象観測および群落樹冠上において乱流観測を行い、水蒸気・熱エネルギーおよびCO2の輸送・交換過程を解析し、以下の結果が得られた。 1.名古屋市内及び周辺の落葉・常緑混交広葉樹林において,フラックス観測タワーによって得られたCO2フラックスならびに気象状態量の観測より,炭素循環に対する都市化,樹種構成の影響を検討した.その結果,都市化の進んだ森林では,高CO2濃度により光合成が多くなるが,高い気温のために呼吸も増加し炭素固定はあまり大きくならなかった.また,同程度のCO2濃度,気温の森林の比較では,常緑樹林の多い森林の方が光合成が多くなるが,同時に呼吸も多くなり,落葉樹林の多い林より年間炭素固定量は小さくなった。 2.瀬戸国有林において自動開閉式チャンバーを用いて林床面蒸発量の日変化・季節変化の動態解析とそれが群落蒸発散量に占める割合について解析を行った。その結果、解析期間の無降雨日における日平均値は0.39mmで、その変化は飽差>日射>気温の順に影響を受けた。また、無降雨日の群落蒸発散量に占める林床面蒸発量の割合は約26%、期間降雨量に占める割合は約16%であった。また、これまでの報告にあるような夏季から冬季に向かっての林床面蒸発の上昇傾向は認められなかった。これはLAIに季節変化が小さいことに起因すると考察された。また、トヨタフォレスタヒルズでは観測期間における林床面からの日平均蒸発量は0.26mmと瀬戸国有林に比較して小さい結果であった。 3.ガス交換や遮断特性と林冠構造を解析する際に必要となる膨大な林冠の立体像測定データを少数のパラメータで表現するために林冠3次元構造を適切に表現できるシミュレーション手法を開発した。
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Research Products
(2 results)