Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 久雄 茨城大学, 農学部, 助教授 (20205256)
加藤 亮 茨城大学, 農学部, 講師 (10302332)
長澤 徹明 北海道大学, 農学研究科, 教授 (30002067)
三沢 真一 新潟大学, 自然科学研究科, 助教授 (30018791)
中野 芳輔 九州大学, 農学研究科, 教授 (60038320)
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Research Abstract |
北海道,九州,本州太平洋側,本州日本海側の4地域における農村地域からの水質流出特性の比較を行った.本年度は各地区からのモニタリングの成果が出揃い,各地域の水質流出特性が明らかになった.本州太平洋側の,農村地域からの水質流出特性においては,豚の畜産の影響がある場合,高濃度の窒素・リンの流出があることが確認され,土壌中に蓄積された負荷が流出していることが指摘された.また,本州の静岡県における丹野池においても,過剰な施肥の影響による,高濃度の窒素の流出が確認され,やはり土壌中への蓄積量の影響があることが指摘された.北海道では,草地酪農流域からの水質流出特性,つまり冬季の積雪により蓄積された汚濁負荷が融雪時に集中して流出していることが指摘された.また,河畔林の水質浄化特性についても明らかとなった.日本海側の地域では,低平地特有の灌漑用水の反復利用が行われているが、そのことにより汚濁物質の浄化が成されていることを明らかにした。九州地区では,筑後川水系における水質変動特性が明らかになり,やはり土地利用が水質変動に影響を与えていることを示唆する結果が得られた. 以上から,本年度の研究により,各地域における水質流出特性が明らかになった.特に土地利用条件が,水質変動に大きな影響を与えていることが確認された.これによって,日本国内の農村地域からの水質流出特性の多様性がおおむね把握でき,今後の面源負荷への対策に向けた知見が総合化されることが期待され,面源負荷対策に関する研究が大きく進展したと言える.
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