2004 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷湿潤気候適応ノントキシック・エンドファイト系統の探策と実用化技術開発
Project/Area Number |
14206031
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
雑賀 優 岩手大学, 農学部, 教授 (10183360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 晴男 岩手大学, 農学部, 教授 (60003779)
中嶋 博 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (40001474)
井上 達志 宮城県農業短期大学, 講師 (20264351)
菅原 幸哉 畜産草地研究所, 研究員
山下 雅幸 静岡大学, 農学部, 助教授 (30252167)
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Keywords | エンドファイト / ペレニアルライグラス / トールフェスク / 共生関係 / アルカロイド / 牧草種子収集 / ミネラル / ロタロッド |
Research Abstract |
2004年は、沖縄を除く九州地方8県でライグラス類25集団、トールフェスク7集団の種子を収集した。これまでに収集した集団と併せて感染率を調査した結果、イタリアンライグラスが53%、ペレニアルライグラスが25%、中間型は45%が感染しており、温暖な地域ほど感染率が高い傾向がみられた。トールフェスクの40集団については、北陸の66%が最も高く、九州の58%が続いた。イタリアンライグラスとペレニアルライグラスを識別するDNA断片を有する個体の頻度は両種で大きく異なり、品種による頻度にも違いが見られた。 西南日本で収集されたイタリアンライグラスに感染するエンドファイト系統は、形態的形質かNeotyphodium occultansと推定されたが、このことを確認するためにDNA解析を行った。感染植物種子から抽出した全DNAを鋳型にしてエンドファイトのrDNAの解析を試みたが,エンドファイト以外の糸状菌に由来する増幅産物が生じてしまったために、蕾の中の未熟子房から抽出したDNAによる解析を行った結果、Neotyphodium occultansと見られる5株が新たに見つかった。 我が国におけるトールフェスクのエンドファイト感染率が低い理由を探るため遮光条件下でエンドファイト感染・非感染植物個体を生育させ、生長量とミネラル含有率を調べた結果、対照区では感染個体の分けつ数が多く、遮光区では感染個体の草高、乾物重が高い値を示し、ミネラル含量ではケイ素とリンで感染個体が高い値を示した。岩手大学で2004年に深浦から収集したペレニアルライグラスのエンドファイトの分離に成功した。 エンドファイト毒性発現閾値を決定するために、金網床のケージに飼育したマウスにエンドファイト感染種子粉末の固形飼料を2週間給餌したところ、不十分給水を行なった場合に体重が減少した。ロタロッド機能は5pmでは両区とも変化がなかったが、15rpmの高速にすると非感染飼料給餌区では変化がなかったが、感染飼料給餌区では7匹中5匹において機能の低下が認められた。
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Research Products
(5 results)