2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14207001
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
江崎 太一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10128259)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 一彦 熊本大学, 医学部, 講師 (10263469)
松島 綱治 東京大学, 医学部, 教授 (50222427)
森川 俊一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70339000)
|
Keywords | リンパ管 / モノクロナール抗体 / 内皮細胞 / リンパ球 / 微小循環系 |
Research Abstract |
本年度はLA102抗体を用いて、リンパ管特異的マーカーの解析を以下のように実施した。 1.組織内微細分布の解析と形態学的特異性の証明: (1)光顕と免疫電顕による抗原の組織内微細分布の解析(江崎分担); LA102抗原は、リンパ管の内皮の基底側ならびに管腔側のすべての細胞膜上に存在し、特に飲み込み小包と見られる小包により強く認めた。(2)共焦点レーザー顕微鏡による三次元レベルでの位置関係の解析(森川分担);リンパ系細胞との関係や局所の微小血管系との位置関係を検索したところ、LA102抗原は血管とは全く異なる局在を示し、それがリンパ管系であることが明確となった。(3)リンパ管内皮細胞の培養と株化(江崎分担);リンパ管腫より単離した内皮様細胞を継代培養し、さらにLA102抗体標識磁性ラテックスによってLA102抗原陽性内皮細胞を選択的に採取することができた。 2.免疫細胞生物学的性状の解析: (1)抗体の精製と標識(江崎分担);腹水から大量の抗体を精製し、蛍光色素を標識した。また、LA102抗体はそのアイソタイプがラットIgG1,kタイプであることを確認した。(2)LA102抗体カラムによる抗原蛋白の分離精製と免疫生化学的性状解析(松島分担);LA102抗原を分離精製し、抗原は約26kdの糖蛋白であることを確認した。(3)蛍光標識細胞解析装置(FACS)によるLA102抗体陽性細胞の解析(桑原分担);この抗原がリンパ管内皮以外ではT細胞系の膜表面に選択的に存在することが分かった。 3.LA102抗原の質量解析(LC-MASS)による検索(松島分担);精製抗原蛋白の質量分析による蛋白の同定を現在実施中である。 次年度は、さらにリンパ管内皮細胞株を樹立し、分子・遺伝子レベルでの血管内皮との決定的な差を解明するとともに、この抗原蛋白の機能的特異性に関する解析を行う予定である。
|