2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14207003
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 宏 三重大学, 医学部, 助手 (20314114)
西村 有平 三重大学, 医学部, 講師 (30303720)
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Keywords | ストレス蛋白質 / 低酵素 / S100C / タウリン / クモ膜下出血 / 脳血管攣縮 / HSP72 |
Research Abstract |
我々は、医薬品の作用機構の解明を遺伝子発現プロファイル解析により試みてきた。その結果、病態形成時に誘導されるストレス蛋白質(S100C、HSP72)に、医薬品ターゲットとしての治療的作用機構を見出した。 まず、In vivoで低酸素に暴露し、血管リモデリングが認められるラット肺を用いて行ったトランスクリプトーム解析により、低酸素刺激により発現量が変化する遺伝子クラスターを明らかにした。その中で、我々が精製し、cDNAおよび遺伝子の構造を報告してきたカルシウム結合蛋白質であるS100C及び低酸素性細胞障害に対する保護作用が報告されているタウリンが低酸素により発現レベルが上昇することを見出した。さらに、この低酸素によるS100C遺伝子発現および血管リモデリングがタウリン経口投与により抑制されることを見出した(Pharmacogenomics J. 2003 ; 3(3) : 183-8)。 次に、自家血の大槽内注入によるラット脳血管攣縮モデルを用いたトランスクリプトーム解析により、脳血管攣縮の重症度や時間経過に相関して発現が誘導されるHSP72遺伝子に注目した。アンチセンスHSP72オリゴデオキシヌクレオチドにより、HSP72遺伝子発現を抑制すると、脳血管攣縮が増悪することを明らかにした。さらにgeranylgeranyacetoneによりHSP72の発現を誘導すると、クモ膜下出血後の脳血管攣縮は軽快した。そこで、脳血管攣縮におけるHSP72遺伝子発現誘導は、内因性の抗脳血管攣縮因子であり、新しい創薬ターゲット(治療遺伝子)の可能性が示唆された(Circulation 2004 in press)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Homare Amano: "Target validation in hypoxia-induced vascular remodeling using transcr iptome/metabolome analysis"Pharmacogenomics J. 3(3). 183-8 (2003)
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[Publications] Hirofumi Nikaido: "A potential role for Heat Shock Protein 72 in antagonizing cerebral vasospasm after rat subarachnoid hemorrhage."Circulation. (In press). (2004)