2003 Fiscal Year Annual Research Report
上皮・内皮細胞シートのバリアー機能におけるクローディンの役割:バリアー不全に基づく種々の病態の解明を目指して
Project/Area Number |
14207008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
月田 承一郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (50155347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 誠 京都大学, 医学研究科, 助手 (30335244)
久保 亮治 京都大学, 医学研究科, 助手 (70335256)
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90281089)
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Keywords | クローディン / オクルディン / タイトジャンクション / 上皮細胞 / バリアー / 血管 / 内皮細胞 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
生細胞におけるクローディン分子の挙動の解析:クローディン分子が同定されて初めてTJを分子レベルで解析できるようになった。本年度は、このクローディン分子とGFP(緑色蛍光蛋白質)の融合蛋白質を発現させた生細胞を観察することにより、生細胞におけるTJの動的な挙動を追うことに初めて成功した。まず、クローディン-1のN末端にGFPを融合させた蛋白質(Cld-1-GFP)を、もともとTJを持たないマウスL線維芽細胞に発現させた。このCld-1-GFPは細胞膜上に発現・重合し、隣合う細胞と接着して対合するストランドを形成した。このストランドはGFPで密にラベルされているため、その一本一本を生細胞下で蛍光顕微鏡観察することができた。TJストランドは、これまで凍結割断レプリカ法により電子顕微鏡によってのみ観察されてきたものであったが、このような方法で観察すると、驚いたことに極めて動的な構造であることが明らかになった。すなわち、これらのストランドは、しばしば断裂したり、端-端結合して融合したり、端-端側結合して枝分かれを作ったりという過程を繰り返していた。このようなストランドの動的な性質が、TJのバリア機能にとって重要ではないかと考え、今後、詳細な解析を続けることにした。 種々のクローディンノックアウトマウスの作製:これまでに我々はクローディン-1と-5のノックアウトマウスを作製し、バリアーに関して興味深い結果を得た。今年度は、小腸上皮細胞特異的に発現しているクローディンのノックアウトマウス、肺胞上皮特異的なクローディンのノックアウトマウス、シュワン細胞特異的なクローディンのノックアウトマウスの作製等が進んでおり、これらのノックアウトマウスの解析より、発がんや転移とクローディンとの関係を明らかにすることができると考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sasaki, H.et al.: "Dynamic behavior of paired claudin strands within apposing plasma membranes"Pro.Natl.Acad.Sci.USA. 100. 3971-3976 (2003)
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[Publications] Nitta, T.et al.: "Size-selective loosening of the blood-brain barrier in claudin-5-deficient mice"J.Cell.Biol.. 161. 653-660 (2003)
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[Publications] Asano, A.et al.: "Claudins in Caenorhabditis elegans : their distribution and barrier function in the epithelium"Curr.Biol.. 13. 1042-1046 (2003)
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[Publications] Ikenouchi J.et al.: "Regulation of tight junctions during epithelial-mesenchyomal transition : Direct repression of the gene expression of claudins by Snail."J.Cell Sci.. 116. 1959-1967 (2003)
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[Publications] Kubo, A.et al.: "Non-membranons granular organelle consisting of PCM-1 : Subcellular distributino and cell cycle-dependent assembly/ousassembly"J.Cell Sci.. 116. 919-928 (2003)
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[Publications] Matsuda, M.et al.: "A peculiar interaalization of claudins, tight junction -specific adhesion molecules, during the intercellular movement of epithelial cells"J.Cell Sci.. 印刷中. (2004)