2004 Fiscal Year Annual Research Report
上皮・内皮細胞シートのバリアー機能におけるクローディンの役割:バリアー不全に基づく種々の病態の解明を目指して
Project/Area Number |
14207008
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
月田 承一郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (50155347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90281089)
久保 亮治 京都大学, 医学研究科, 助手 (70335256)
足立 誠 京都大学, 医学研究科, 助手 (30335244)
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Keywords | タイトジャンクション / クローディン / 上皮細胞 / 内皮細胞 / バリアー / ZO-1 / ZO-2 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
1.クローディンノツクアウトマウスの作製:本年度は、脳血管特異的にクローディン-5遺伝子をノックアウトするための、コンディショナルノックアウトマウスの作製に着手し、ようやくターゲットされたES細胞を得ることができた。今後マウスの作製に進む予定である。さらに、クローディン-19がシュワン細胞だけに発現することを見出し、そのノックアウトマウスの作製に成功した。このマウスは末梢神経障害を示し、ヒトの疾患との関係が興味深い。 2.タイトジャンクション裏打ち蛋白質の機能解析:マウスの培養上皮細胞(Eph4細胞)において、任意の遺伝子を相同組み換えによりノックアウトする方法を開発し、ZO-1遺伝子を欠くEph4細胞株を複数得ることに成功した。このZO-1の発現を完全に欠いた上皮細胞は、全くその増殖に異常を示さなかったし、コンフルエントな状態で培養すると、典型的な敷石状の形状を示し、その極性にも全く異常が見出せなかった。ただ、培養液のカルシウム濃度を変化させることで極性形成を誘導すると、極性が形成される速度が正常の細胞に較べて有意に遅いことが明らかになった。上皮細胞にはZO-1に似た蛋白質としてZO-2が発現しているが、このZO-2を過剰発現しても、ZO-1の欠失によるこのフェノタイプは回復しなかった。そこで、次に、このZO-1を欠く上皮細胞から、さらにZO-2遺伝子を欠く上皮細胞の樹立を試み、ごく最近成功した。この細胞は、ZO-1のみを欠く細胞に較べて、きわめて興味深いフェノタイブを示しており、現在解析を進めている。
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Research Products
(6 results)