2005 Fiscal Year Annual Research Report
MCI(軽度認知機能障害)の危険因子に関する包括的縦断研究
Project/Area Number |
14207021
|
Research Institution | National Institute for Longevity Sciences / National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
下方 浩史 国立長寿医療センター, (研究所)・疫学研究部, 部長 (10226269)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 富士子 国立長寿医療センター, (研究所)・疫学研究部, 室長 (90333393)
新野 直明 桜美林大学, 大学院・国際学研究科, 教授 (40201686)
|
Keywords | 認知機能障害 / 知能検査 / 短期記憶 / 老化 / 言語性知能 / 動作性知能 / 縦断研究 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
約2,300名の地域住民を対象にしたコホート調査を平成9年から2年ごとに継続して実施している。平成17年度には、平成16年度に開始した第4次調査を継続して実施し、平成18年6月には終了する予定である。平成18年2月末現在1,961名の調査が終了している。このうち平成17年5月末までの1,073名についての全データの照合、確認が終了しており、一般成人知能検査(WAIS-R)、簡易認知機能検査(MMSE)、記銘力検査、頭部MRI検査、各種背景要因などについて第4次調査中間データとしてまとめた。 食事、栄養摂取が認知機能の加齢変化に及ぼす影響について明らかにするために、抗酸化ビタミン摂取と認知機能との関連を検討した。対象は上記コホート調査の第1次、第3次調査のいずれにも参加した40歳以上の中高年者1542名である。認知機能はWAIS-R成人知能検査にて評価した。抗酸化ビタミンは第1次調査における3日間の食事記録から1日の平均ビタミンC、ビタミンE、およびカロテン摂取量を算出した。第1次調査時のビタミンC摂取量が多いほど,第1次調査時の得点が高いことが明らかとなった、他方,ビタミンCから第1次調査から、第3次調査への認知機能の変化への影響がそれぞれ有意な正の値を示したことから、第1次調査時のビタミンC摂取量が多いほど,これらの得点の増大ないし低下の抑制が生じることが明らかとなった。ビタミンEおよび,カロテンも同様の有意な効果が認められた。 Klotho遺伝子G-395A多型により60歳以上群でのみ認知機能は有意差があり、多型は加齢による認知機能低下に関連するとの知見、Cholecystokinin A受容体(CCKAR)と知能についての知見は原著とし国際専門誌に発表した。老化に対する遺伝的要因と生活習慣の関わりについての総説をまとめ、認知機能について現在までの我々の知見について紹介した。
|
Research Products
(3 results)