2005 Fiscal Year Annual Research Report
高速液体クロマトグラフィー/レーザースプレー質量分析計の法医学への応用
Project/Area Number |
14207023
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石井 晃 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30252175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 賢三 山梨大学, 工学部, 教授 (80107218)
鈴木 修 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70093044)
渡辺 加奈子 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (70288546)
勝又 義直 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30109326)
金子 理奈 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (70367697)
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Keywords | 高速液体クロマトグラフィー / エレクトロスプレー / レーザースプレー / 飛行時間型質量分析計 / アコニチン / 正イオンモード / 負イオンモード / 乱用薬物 |
Research Abstract |
質量分析(MS)法は、薬毒物を検出・同定するための極めて有力な方法であり、近年のインターフェースの改良により、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)との結合が容易となり、従来では分析が困難であった高極性・高沸点の化合物の同定や定量が可能となった。 現在広く用いられているHPLC-MSのイオン化法はエレクトロスプレー(ESI)法であるが、更に高感度な分析を可能にするため、よりソフトでイオン化効率が高い方法が必要となる。今回、我々はレーザースプレー法を応用し、法医学的に重要な薬毒物の検出・同定への応用を試みている。 本年度では、飛行時間型質量分析法を用いた体液中アコニチンの測定法が確立し、国際誌に受理された。 ところで、レーザースプレーに関する昨年度の問題点は、レーザー照射時の感度のブレであった。その対策として、レーザー光路の延長及びCCDカメラによるモニターが考えられた。本年度は、日本電子と共同して、イオン源の改造を行い、再度実験を行った。この新しいシステムでは、従来のシステムに比べ、イオン強度が安定した。このシステムを用いてコカイン、モルヒネ、覚せい剤等の乱用薬物の検出を試みた。ESIに比べると、レーザースプレーによるイオン化では、イオン強度が5ないし10倍上昇し、S/N比も良好であった。現在、オンラインによる測定を試みており、最適条件の決定もほぼ完了しつつあり、セミミクロスケールでのレーザースプレー法はほぼ完成したと考えられる。 本研究を遂行して最終的に問題となったのは、不可視レーザーを使用する上での安全性の確保と、レーザー照射時のキャピラリーの劣化であった。この二点を解決するためには、レーザーパワーをさらに縮小することが必要であり、そのためには、高速液体クロマトグラフィーシステムをミクロ化することが将来への課題である。
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Research Products
(13 results)