2002 Fiscal Year Annual Research Report
プリオン病をはじめとしたコンフォメーション病の治療薬剤の開発と作用機序解明
Project/Area Number |
14207030
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堂浦 克美 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (00263012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安東 由喜雄 熊本大学, 医学部, 講師 (20253742)
吉良 潤一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40183305)
太田 茂 広島大学, 医学部, 教授 (60160503)
岩城 徹 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40221098)
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Keywords | コンフォメーション病 / アミロイド / プリオン / Aβ / 予防治療薬 / スクリーニング / in vitro実験 / 表面プラスモン共鳴法 |
Research Abstract |
これまでにin vitro/in vivoのアッセイ系で異常型プリオン蛋白の産生を阻害する効果を確認しているquinoline環含有化合物、congo red誘導体、benzothiazole環含有化合物などについて、それらを基本構造とする関連化合物を出来うる限り多く市販品からピックアップするととも、比較的単純な化合物を中心に合成を行い「コンフォメーション病」治療薬候補化合物のライブラリーを作製した。これらの化合物について、(1)プリオン持続感染細胞を用いたアッセイ系、(2)アミロイド化させたAβ1-40/42あるいはアミリンと、GT1-7細胞あるいはprimaryのアストロサイトを用いたアッセイ系の2種のin vitroアッセイ系でスクリーニングし、異常立体構造蛋白の産生・凝集体形成や細胞毒性を強力に抑制し、それ自身の細胞毒性が低いものを探索した。その結果、quinoline環含有化合物で8種、Congo red誘導体で1種、benzothiazole環含有化合物で42種、オリゴ糖化合物で1種に有効性が確認された。 一方、プリオン蛋白・Aβ蛋白、アミリン、トランスサイレチンのペプチド断片や組換え体蛋白を作製した。これらの合成蛋白質を用いて表面プラスモン共鳴法による分子間相互作用解析装置で解析したところ、これらのタンパク質がアミロイド化していなくても、一部の有効化合物は蛋白質に高親和性に結合することが判明した。より詳細な蛋白上の結合ドメインを決定するため、各ドメインの組み換え体蛋白やアミノ酸置換を行ったペプチド断片を作製し、有効化合物の作用部位の情報を抽出する準備を整えた。 なお、上記の新規に発見した有効化合物の一部については特許を出願した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sasaki K, Doh-ura K, Ironside WJ, Iwaki T.: "Increased clusterin (apolipoprotein J) expression in human and mouse brains infected with transmissible spongiform encephalopathies"Acta Neuropathol. 103. 199-208 (2002)
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[Publications] Sasaki K, Doh-ura K, Wakisaka Y, Iwaki T.: "Clusterin/apolipoprotein J is associated with cortical Lewy bodies : immunohistochemical study in cases with alpha-synucleinopathies"Acta Neuropathol. 104. 225-230 (2002)
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[Publications] Tsuboi Y, Wszolek ZK, Kusuhara T T, Doh-ura K, Yamada T: "Japanese family with parkinsonism, depression, weight loss, and central hypoventilation"Neurology. 58. 1025-1030 (2002)
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[Publications] 堂浦 克美: "ヒトのプリオン病とその治療薬剤開発の現状"ファルマシア. 38. 635-639 (2002)
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[Publications] 堂浦 克美: "プリオン病の治療薬開発"医学のあゆみ. 203. 923-930 (2002)