2004 Fiscal Year Annual Research Report
本態性高血圧症感受性遺伝子の解明とテーラーメイド医療の確立
Project/Area Number |
14207035
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60107042)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝谷 友宏 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30311757)
|
Keywords | 遺伝子多型 / 候補遺伝子 / 疾患感受性 / SNPs / 高血圧 / TaqMan / 薬剤反応性 / 環境・遺伝相互作用 |
Research Abstract |
本態性高血圧症は原因不明の多因子疾患であり、環境因子・遺伝因子の相互作用により発症、進展し、重篤な各種循環器合併症の主要因となる。本研究では、遺伝子多型(SNPs:single nucleotidepolymorphisms)解析を中心に、表現型を豊富に有する複数の大規模遺伝疫学において、ヒトゲノム解析の倫理指針に従い検体を収集し、TaqMan PCR法を用いて遺伝子解析を実施した。本年度は、メタボリック症候群において重要な役割を担うアディポネクチンの遺伝子多型、血中濃度に着目し、1164T多型が高血圧(Hypertension)、虚血性心疾患(J Am Coll Cardiol)のリスクとなることや、インスリン抵抗性の有無に関わらず低アディポネクチン血症が高血圧の独立したリスクとなることを示した。また機能低下が遺伝性低血圧症であるギテルマン症候群の原因となる(J Hum Hypertens)サイアザイド感受性NaCl共輸送体遺伝子(TSC)の機能獲得型多型に着目し、同多型が女性における若年発症高血圧リスクを高めることを報告した(J Hypertens)。本研究ではさらに利尿薬反応性で変化を認めるトランスクリプトームについて、アレイを用いた追加実験も行っている。一方、大迫研究では、アンジオテンシII-1型受容体遺伝子多型は高血圧感受性と関連が薄いことや、阪大研究において、糖尿病のリスク遺伝子として知られるUCP(uncoupling protein)2遺伝子多型が高血圧リスクともなることを示した。
|
Research Products
(6 results)