2004 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病の神経情報処理障害の分子機構解明に向けた発達神経科学的研究
Project/Area Number |
14207040
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西川 徹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00198441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
車地 曉生 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00251504)
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Keywords | 精神分裂病(統合失調症) / methamphetamine / phencyclidine / 生後発達 / 陰性症状 / 陽性症状 / 大脳新皮質 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
統合失調症(精神分裂病)が思春期以降に発症し、統合失調症様異常発現薬による精神異常や動物の行動異常も発達に伴って変化することから、統合失調症状の情報処理障害の原因分子は、統合失調症様異常発現薬に対する応答性を一定の生後発達期以後に獲得すると推測される。そこで、統合失調症における脳内情報処理障害の原因となる分子異常を見出すことを目的に、ラットを用い、統合失調症様の症状を引き起こすmethamphetamine(MAP)やphencyclidine(PCP)に発達に依存した特異的応答を示す遺伝子を検索し、構造、局在、薬物に対する応答性、コード蛋白の特徴等を解析している。本第三年度は、ラット大脳新皮質からクローニングした遺伝子群のうち、mrt1(MAP responsive transcript 1)の脳内分布をin situハイブリダイゼイションによって明らかにした。また、mrt1のtransgenic miceが得られ、設計した通りに前脳部におけるmrt1 mRNAの発現増強が認められたため、統合失調症の発症・再燃モデルであるMAPが誘発する逆耐性現象への影響を検討を開始した。mrt3遺伝子については、特異なゲノム構造をもつことや、MAPによる新たな発現調節を明らかにした。prt4(PCP responsive transcript 4)は、PCP以外に不安惹起ストレスに対しても発達依存的応答を示すことを見出した。さらに、本研究で見出された、統合失調症関連候補遺伝子の中で、mrt1とCDCrel-1のヒト相同遺伝子の5'端より約3lb上流まで、プロモーターを含むと推測される領域のゲノム構造および統合失調症における変化の検討を終了し、現在prt4の一塩基多型と統合失調症との関連を解析中である。
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Research Products
(14 results)