2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14207042
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
須田 年生 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60118453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 敦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90343350)
大保 和之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70250751)
尾池 雄一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90312321)
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Keywords | 幹細胞分化転換 / 造血幹細胞 / 血管幹細胞 / AML1 / Tie2受容体 / ES細胞 / Side Population / Hemangioblast |
Research Abstract |
本研究では、幹細胞の分化転換のなかで最も生理的で、実験系として優れている「造血幹細胞・血管幹細胞の相互転換と相互作用」に焦点を絞って研究を進めている。胎生期では背側大動脈の内腔に配列した腹側の血管内皮細胞が、その形質を失い造血細胞に分化転換する。しかしながら、この現象の分子機構をin situで明らかにするのは難しいため、我々はES細胞から造血・血管幹細胞を誘導し、その分子機構を明らかにしようとした。ES細胞をストロマ細胞上で培養するとTIE2受容体陽性の細胞が誘導され、そのうち発現の高い細胞が、造血細胞および血管内皮細胞に高率に分化することが明らかとなった。AML1転写制御因子欠損ES細胞からは、このような細胞の出現は認められず、AML1が造血細胞分化に必須であることが支持された。現在、TIE2/Ang-1シグナルが造血細胞の分化に必要不可欠か否かを検討している。 我々は、骨髄細胞より蛍光色素排出率の高いSide Population(SP)、いわゆる幹細胞集団を多種類の抗体を用いて分離支、検討することにより、造血幹細胞と血管平滑筋細胞には分化するが、内皮細胞には分化しない集団が存在すること、一方、血管内皮前駆細胞は、特定の受容体(VEGFR2)の発現と強く相関することを見いだしている。これにより、ヘマンジオブラスト(造血細胞/血管内皮細胞共通祖先細胞)と間葉系幹細胞由来の平滑筋細胞に大別するという図式は通用しなくなっている。今後、試験管内での、血管内皮細胞から造血細胞への分化転換あるいはその逆の再現、造血細胞分化遺伝子と血管内皮細胞分化遺伝子の異同を検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nosaka K, et al.: "Increased RANK ligand expression on adult T-cell leukemia cells is the critical factor of hyper-calcemia"Blood. 99. 634-640 (2002)
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[Publications] Oike Y et al.: "Regulation of vasculogenesis and angiogenesis by Eph/ephrin-B2 signaling between endothelial cells and surrounding mesenchymal cells"Blood. 100. 1326-1333 (2002)
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[Publications] Arai F et al.: "Mesenchymal stem cells in perichondrium express activated cell adhesion molecule and participate in bone formation"J. Exp. Med. 195. 1449-1563 (2002)
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[Publications] Suenobu S et al.: "A role of EphB4 receptor and its ligand, ephrin-B2 in erythropoiesis"Biochem Biophys Res Comm. 293. 1124-1131 (2002)
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[Publications] Hamada K et al.: "Distinct roles of ephrin-B2 forward and EphB4 reverse signaling in endothelial cells"Arterioscler Thromb Vasc Biol. 23(in press). (2003)
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[Publications] Ohbo K et al.: "Identification and characterization of stem cells in pre-pubertal spermatogenesis"Dev. Biol.. (in press). (2003)