2004 Fiscal Year Annual Research Report
がん免疫遺伝子治療の国産ウイルスベクターによる臨床開発
Project/Area Number |
14207047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田原 秀晃 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70322071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 卓也 東京大学, 医科学研究所, 講師 (30275359)
高山 卓也 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10332579)
内田 宏昭 東京大学, 医科学研究所, 助手
北村 義浩 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10202037)
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Keywords | 遺伝子治療 / 腫瘍免疫 / アデノウイルスベクター / IL-12 / GMP / 探索的医療 / 樹上細胞 |
Research Abstract |
本邦独自の新規遺伝子治療臨床プロトコールに使用するために、当研究所内に設置されたベクター室を利用して、米国FDA(Food and Drug Administrations)の定めるGMP(Good Manufacturing Procedure)基準を参考にしてアデノウイルス・ベクターを作製することを目指して研究を進めた。その作製過程を通じて、品質検定のシステムも構築し、遺伝子導入の対象となる細胞の調整と遺伝子導入に関連する技術をも確立することが今年度の目標であった。当初の予定通り研究を進め、昨年度作製したWorking Cell Bank(WCB)を用いて、中等量のアデノウイルス・ベクター作製を試み、Standard Operating Procedure(SOP)を確立した。そして、作製されたベクターの特徴(RCAの混入の有無や感染タイターの決定など)を検討した。また同時に、臨床用アデノウイルス・ベクターの作製に先立って模擬的作製作業を開始した。その結果、作成したSOPに従って工程を進めれば、臨床応用可能なアデノウイルス・ベクターの作製が可能となることが示唆された。また、単球由来の樹状細胞にアデノウイルス・ベクターにより遺伝子導入する際の標準手順書を確定し、それを用いてIL-12を強制発現する樹状細胞を作製し、そのIL-12発現量が十分で、樹状細胞機能にも障害の出ていないことを確認した。マウスIL-12のアデノウイルスベクターも作製し、それを用いたマウスの実験をすすめ実際の臨床試験において想定される問題点を検討したが、現在まで臨床試験の実行に大きな障害となる問題点は見出されていない。以上の結果より、臨床用アデノウイルス・ベクターの生産体制は整い、実際のプロトコールを安全に開始するために必要な情報も得られた。
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Research Products
(2 results)