2004 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞の分化環境の作製と免疫隔離膜を用いた分化細胞の移植
Project/Area Number |
14207048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 功一 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (50283875)
笹井 芳樹 理化学研究所, 発生再生科学総合研究センター, グループディレクター (20283616)
滝 和郎 三重大学, 医学部, 教授 (70144368)
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Keywords | 胚性幹細胞 / マウス / カニクイザル / インスリン分泌細胞 / ドーパミン分泌細胞 / 分化誘導 / PDX-1 |
Research Abstract |
<ES細胞からインスリン分泌細胞への分化誘導>マウスまたカニクイザルのES細胞からのインスリン分泌細胞への分化誘導を行っている。マウスES細胞の分化誘導では、血清含有培養液でも効率よく分化誘導でき、さらに、得られた細胞集団の継代培養を行ったところ、5倍希釈にて継代培養を行っても単位面積当りのインスリン陽性細胞数には顕著な減少は認められなかった。この細胞集団にはインスリン陽性細胞を生み出す前駆細胞が存在すると考える。インスリン分泌細胞を大量に確保するために2つの方向で研究を進めている。マウスES細胞ではPDX-1陽性細胞特異的に蛍光タンパク質を発現する遺伝子を導入したES細胞を作製した。現在、分化誘導途中の細胞をFACS分析し、PDX-1陽性細胞の出現を解析している。二つ目は、Tet systemを利用してカニクイザルサルES細胞内でPDX-1遺伝子発現を制御することによりインスリン分泌細胞へと分化誘導する方法である。現在、6クローンを得てその特性を解析しているところである。 <免疫隔離膜>Dextran sulfateの補体活性制御作用について検討を加えたところ、C2またはC1qと相互作用することで補体活性を抑制することを明らかにした。 <ES細胞からドーパミン分泌細胞への分化誘導>PA6細胞の順化培地を用いて中空糸内に封入したマウスES細胞を培養することでドーパミン分泌細胞への分化誘導を行った。また、マウスES細胞凝集体を培養することでドーパミン分泌細胞へ分化誘導し、その後マイクロカプセルした。以上二つの方法でカプセル化したドーパミン分泌細胞を長期培養し、ドーパミン分泌量の推移を観察した。前者においては、当初より分泌能が低く中空糸膜の分画分子量の調整が必要と考える。一方、マイクロカプセル細胞では培養開始後56日においてもドーパミンの検出ができた。
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Research Products
(3 results)