2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管攣縮-新たな血小板由来脂質mediatorを介するの関与-
Project/Area Number |
14207053
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 富男 九州大学, 医学研究院, 教授 (10134561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 延人 群馬大学, 医学部, 教授 (60262002)
佐山 徹郎 九州大学, 医学研究院, 助手 (30346788)
名取 良弘 九州大学, 医学研究院, 講師 (00264036)
登坂 雅彦 群馬大学, 医学部, 助手 (40323357)
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Keywords | subarachnoid hemorrhage / cerebral vasospasm / Rho kinase / myosin light chain kinase / Ca^<2+> sensitization / rabbit |
Research Abstract |
平成14年度4月より研究代表者の転任に伴って、群馬大学より九州大学医学部研究院に実験の主座を移すこととなった。最初に研究課題を行うための研究室の整備に幾分の時間を要した。群馬大学では実験動物としてイヌを使用していたが、九州大学医学研究院ではイヌの獲得が困難なため、ウサギヘと変更した。これまでにウサギのくも膜下出血モデルの実験データがなかったので、予定であった大槽内自家血投与2回のくも膜下出血モデルを作製する前に、まず大槽内自家血投与1回のくも膜下出血モデルを作製し実験した。実験的くも膜下出血4日後、脳血管造影で脳底動脈の攣縮を確認できた。その後、攣縮した脳底動脈平滑筋を用いて、コントロールのウサギと収縮反応を比較した。ET-1やhistaminやsphingosinel-phosphateやその他いくつかのアゴニスト刺激を行い、細胞質Ca^<2+>と発生張力を同時測定した。しかし両者の間で有為な差を認めなかった。次に血管条片を脱膜化してCa^<2+>感受性の実験を行った。この実験においても両者のCa^<2+>感受性の増強には差を認めなかった。これらから大槽内自家血投与1回のモデルにおいて、脳血管造影上血管は収縮したが、血管平滑筋における収縮反応、とくにRho-kinaseの関与に有為な差を認めないことを確認した。次に、大槽内自家血投与2回のモデルを作製した。この血管平滑筋で、細胞質Ca^<2+>と発生張力の同時測定ならびに脱膜化標本におけるCa^<2+>感受性の実験において、controlと比較してCa^<2+>感受性の増強による収縮増大を認め、Rho-kinaseが強く作用していることが示唆された。
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