2003 Fiscal Year Annual Research Report
可視光照射により硬化するゼラチンを担体とした培養細胞系を用いた関節軟骨の再生
Project/Area Number |
14207055
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
満渕 邦彦 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50192349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 武久 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60142189)
池川 志郎 理化学研究所, 遺伝子多型研究センター, チームリーダー(研究職) (30272496)
中山 泰秀 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長(研究職) (50250262)
星川 淳人 東芝病院, リハビリテーション科, 医師(研究職)
中村 耕三 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60126133)
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Keywords | 可視光重合性ゼラチン / 関節軟骨再生 / 担体 / 間質系幹細胞 / ラディカル / type IIコラーゲン / アグリカン / カンファキノン |
Research Abstract |
本年度は、1)光硬化したゼラチン内で軟骨細胞が生着・増殖し、軟骨基質を産生する最適条件のin vitroおよび、in vivoにおける検討を前年度に引き続き行った。 スチレン化ゼラチン溶液と培養液に懸濁したウサギ関節軟骨細胞を混合後、反応開始剤を添加した後可視光(500nm)を照射し、硬化させた。これを一定期間培養した後、コラゲナーゼ溶液中で溶解、遠心・回収し、細胞ペレットのDNA含量の定量、および、抽出したRNAより軟骨基質関連遺伝子の発現を半定量的RT-PCRにより調べた。また、軟骨基質の定量、および組織学的な観察も行った。 その結果では、硬化直後にhydrogelから回収された細胞数は包埋した細胞の約40%で、培養7日後には約13%に減少したが、その後、細胞数は維持されており、また、RT-PCRによりtype II collagen、aggrecan core protein mRNAの発現が確認された。ゼラチンhydrogel内での組織像では、培養期間の長期化につれて、内部に含まれる細胞数の増加とともに酸性ムコ多糖の沈着も増強し、3週ではゼラチン全体で酸性ムコ多糖の形成を認めた。 ウサギの膝関節、およびヌードマウス皮下におけるIn vivo埋め込み実験では、硬化したゼラチンが吸収されるまでの期間が予想していたよりも短く、組成の調整等の必要性が認められた。 ゼラチン内に添加したFGFやBMPなどの成長因子類の効果、また、軟骨細胞の代わりに骨髄間葉系幹細胞から分化させた擬軟骨細胞を使用した場合の差異については現在検討中である。また、メカニカルストレスの効果の検討のために、圧迫や剪断力を加えた状態で細胞を培養し得るシステムの試作にも着手した。同時に、軟骨細胞の石灰化・骨化の問題に絡んで、骨化の抑制遺伝子の機能、及び、これらを内因性、外来性に用いた石灰化/骨化の抑制法についても検討を試みた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hoshikawa S., Matsuda T., Nakayama Y., Nakamura K., Mabuchi K., et al.: "可視光照射により硬化するスチレン化ゼラチン内での軟骨細胞培養"生体医工学. 第42巻特別号(印刷中5月発行予定). (2004)
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[Publications] Nakamura K, Ikegawa S., et al.: "Cystatin 10, a novel chondrocyte-specific protein, may promote the last steps of the chondrocyte differentiation pathway."Journal Biological Chemistry. 278(48). 48259-48266 (2003)
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[Publications] Ikegawa S., et al.: "RMRP Mutations in Japanese Patients with Cartilage-Hair Hypoplasia."American Journal of Medical Genetics. 123A(3). 253-256 (2003)