2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14207056
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野田 政樹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50231725)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二藤 彰 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00240747)
|
Keywords | 骨量 / 骨吸収 / 骨形成 / 骨粗鬆症 / 交感神経系 / βブロッカー |
Research Abstract |
骨の再構築のためには骨の形成の制御ならびに吸収の制御により形成系の促進、また吸収形の抑制を図ることが最終的には全体の骨量の確保につながり、失われた骨量をこのバランスの乱れを補正することにより回復するための基盤となる。本研究においては骨量の回復を目指し、骨の形成の促進と吸収の抑制の両者の面から骨の制御を行いうるシグナルの検索を目指した。骨量低下モデルとしては尾部懸垂による骨の喪失モデルを用いた。このモデルでは通常のカップリングのごとく骨の吸収と骨の形成とがお互いに相互的に起こるのではなく、むしろ相互的に骨吸収を骨形成が補填するごとく回転が亢進する高回転型の骨粗鬆症に見られるような故障が起こるのと対照的に尾部懸垂モデルにおいては骨の形成が低下する一方で骨の吸収が亢進し、即ちアンカップリングが起きて最終的に骨量の速やかな低下が起こる。本モデルを用いて検討を行った結果、末梢における骨形成と骨吸収の上位には交感神経系が存在し、この交感神経系のシグナルをβブロッカーのプロプラノロールや更にその受容体で働くプロプラノロールや受容体よりも上位のシナプス終末のニューロトランスミッターを枯渇させるグアネチジンを用いることによりいずれも骨の形成の尾部懸垂による低下が提示された。このことは形成の低下を起こした骨を再生するにあたり交感神経系のシグナルを遮断することが形成を促進し、また吸収を抑制することによって二重の意味で骨の再生に寄与することを示している。以上の検討により失われた骨の量を再生するにあたっては形成に対して相加的に働くシグナルが交感神経系を介して制御にあたることが示され、このことから骨の再生にあたっての新たな治療の上での指針を作成する基盤となる知見が確立された。
|
Research Products
(5 results)