2003 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌に対する転移抑制遺伝子の同定と遺伝子診断・治療システムの構築
Project/Area Number |
14207061
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
市川 智彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20241953)
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Keywords | 前立腺癌 / 転移 / 転移抑制遺伝子 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
前立腺癌には前立腺特異抗原(PSA)という有用な腫瘍マーカーがあるが、治療を必要としない早期癌も検出してしまうことなどから、このような弱点を補完する新しいマーカーが求められている。本研究は、このキープレーヤーとなる遺伝子を我々の確立したラット前立腺癌モデルを用いて同定し、前立腺癌の診断のみならず遺伝子治療の基礎を築くことを目的とする。 昨年までに得られた成果をもとに、同意の得られた前立腺癌患者から抽出したDNAやRNAを用いて、遺伝子診断確立のための基礎となるデータを以下のようなシステムを構築して蓄積した。前立腺癌は様々な悪性度を示す組織が混在しているため、これらの遺伝子解析を行うためには、本研究課題により昨年度購入したレーザー光線による組織細胞採取装置(LCM装置)を用いて、臨床検体から微量な前立腺癌組織を採取する必要がある。本年度設備備品として購入した凍結ミクロトームを用いて標本を作製し、LCM装置により微量な組織を採取し、遺伝子診断に用いるための良質なDNAやRNAを抽出するシステムを確立した。このDNAを用いて、ラット前立腺癌を用いた解析により前立腺癌転移抑制遺伝子の領域が明らかとなっている8p21-12のloss of heterozygosity (LOH)の有無と癌の悪性度や臨床経過を解析した。さらに微量な核酸を増幅し、前立腺癌の進展に関連する遺伝子の発現の変化や、マイクロアレー法を用いた遺伝子診断を行う方法も構築した。 以上の研究成果を臨床に応用するため、臨床症例そのもののまとめや解析も行い論文として報告した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Akakura, K, et al.: "Possible mechanism of dexamethasone therapy for prostate cancer : suppression of circulating level of interleukin-6."Prostate. 56・2. 106-109 (2003)
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[Publications] Nagata, M, et al.: "Treatment and prognosis of patients with paraplegia or quadriplegia because of metastatic spinal cord compression in prostate cancer."Prostate Cancer Prostatic Dis.. 6・2. 169-173 (2003)
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[Publications] Suzuki, H., et al.: "Androgen receptor involvement in the progression of prostate cancer."Endocr.Relat Cancer. 10・2. 209-216 (2003)
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[Publications] Kojima, S., et al.: "Alternative antiandrogens to treat prostate cancer relapse after initial hormone therapy."J.Urol.. 171・2. 679-683 (2004)
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[Publications] 市川智彦: "転移機構"臨床泌尿器科. 57・4(増刊号). 162-166 (2003)
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[Publications] 市川智彦: "血中free PSA/ total PSAの臨床的意義"ホルモンと臨床. 51・6. 533-540 (2003)