2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子解析プログラムを応用した泌尿器科腫瘍の分子診断システムの開発:Fuzzy Artificial Neural Networkによる発現プロファイル解析システムの構築
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14207062
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 助手 (20324642)
伊藤 哲之 京都大学, 医学研究科, 講師 (70343225)
福島 雅典 京都大学, 医学研究科, 教授 (80107820)
内藤 誠二 九州大学, 医学研究院, 教授 (40164107)
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Keywords | 膀胱癌 / 前立腺癌 / 腎細胞癌 / 分子診断 / 網羅的発現解析 / DNAアレイ / 多型解析 / 治療感受性 |
Research Abstract |
[背景]近年の分子生物学の急速な発展に伴って、発癌や悪怪進展の分子磯構は徐々に明らかになっているが、実際の癌治療において有用と考えられる遺伝子(分子)マーカーは数少ない。特に侵襲性の高い化学療法や放射線療法などの治療反応性を予測する分子診断システムは、患者の生命予後のみならず生活の質の改善にも大きく寄与すると思われる。[日的]我々は昨年度までに、多施設アウトカム研究にて浸潤性膀胱癌における治療成績の基準を明かにし(Eur.Urol.,45:176-181,2004)、さらに網羅的発現解折による化学療法感受性予測に関する後向き、および前向き試験を開始した。本年度は上記計画をさらに推進するとともに、遺伝的素因に着目した遺伝子多型解析や化学療法感受性に関する特定の遺伝子(p53)の変異との関連に関しての検討も行った。[方法と結果]約3万のオリゴプローベを乗せたマイクロアレイを用い、過去に収集した約100の膀胱癌組織における網羅的発現解析を終了した。その結果、正常上皮、表在性膀胱癌、浸潤性膀胱癌が発現プロファイルのみで再現性良く分類可能であることが明らかとなり、.血清マーカーや尿中マーカーとなりうる分子マーカーを数種同定した(特許申請準備中)。また、膀胱癌においてはp53遺伝子変異のある症例において化学療法感受性が高いことを見いだした(Urology,36:989-993,2004)。さらにCyclin D(CCCD1)の遺伝子多型の解析にて、表在性膀胱癌患者においてはCCND1多型と上皮内癌の発生との間に有意な関連があることを明らかとした。[考察と今後の方向性]これまでの研究により、遺伝子情報を用いることによって治療反応性予測などの新しい診断システムが確立出来る可能性が示された。このような新しい診断システムが開発出来れば、オーダーメイド的な医療が展開できると思われ、上記研究をさらに継続することによってこれを実際の医療に結びつけたい。
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Research Products
(3 results)