2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外マトリックス分子の分子間相互作用と代謝制御に関する研究
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14207076
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
柳下 正樹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70132793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠村 多摩之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70206118)
横山 三紀 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (70191533)
井上 Katarzyna Anna 東京医科歯科大学, 歯学部, 教務職員 (90302877)
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Keywords | 細胞外マトリックス / プロテオグライカン / ヘパラン硫酸 / 膜ドメイン / 分子間相互作用 / 分解酵素 / 糖鎖 |
Research Abstract |
細胞外マトリックスは動物の体制構築のために基本構造を与えるだけでなく、臓器、組織中で細胞に対する生存環境を与えることにより、細胞の分化、増殖、代謝、外界への反応を調節するなど多くの機能を持っている。このとき細胞外マトリックスから細胞に対してフィードバックとして送られる種々の分子シグナルは細胞機能調節にとりわけ重要である。本年度の研究の主要テーマとして、細胞表面において細胞外マトリックスと分子間相互作用を示すヘパラン硫酸プロテオグライカンの細胞表面での挙動を詳細に検討した。具体的にはヘパラン硫酸プロテオグライカンがシグナル受容複合体として機能している膜ドメインに局在しているのではないかとの仮説を検討した。膜ドメインは、Triton X-100処理した培養細胞から界面活性剤抵抗性の細胞膜分画をショ糖密度勾配超遠心法を用いて調製した。膜ドメインの精製は特異的タンパク(CD38、Lynなど)の存在により確認した。副甲状腺細胞より精製した膜ドメインでは抗ヘパラン硫酸糖鎖抗体、抗シンデカン抗体を用いたウェスタンブロット分析によりシンデカン4が特異的に局在し、シンデカン1は除外されていることが示された。質量分析器を用いてさらに膜ドメイン局在分子の同定を進めている。このことから細胞外マトリックスからのヘパリン結合性リガンドのうちシンデカン4の持つヘパラン硫酸に結合特異性を示す分子が膜ドメインを介して選択的にシグナル伝達を行っていることが示唆された。このほかパラン硫酸プロテオグライカンは膜ドメイン中で他の膜タンパクと分子間相互作用を示すことにより膜ドメインの構造安定性に寄与している可能性も考えられる。ヘパラン硫酸特異的分解酵素を細胞培養に作用させた後に膜ドメインを精製、分析することによりこの可能性を解析している。今後は、膜ドメインにおけるヘパラン硫酸プロテオグライカンを介したシグナル伝達の分子メカニズムに関してと、膜ドメインの構造安定性に対するヘパラン硫酸プロテオグライカンの寄与に関しての研究を進めたい。
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Research Products
(4 results)