2002 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーの生体組織に対する細胞生物学的な影響を探る
Project/Area Number |
14207083
|
Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
片山 直 明海大学, 歯学部, 教授 (10105596)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉羽 邦彦 新潟大学, 大学院・歯学総合研究科, 講師 (30220718)
横瀬 敏志 明海大学, 歯学部, 助教授 (90245803)
|
Keywords | CO_2レーザー / 筋細胞 / MAPK / Er.YAGレーザー / 歯髄細胞 / ALP活性 / アポトーシス / 窩洞形成 |
Research Abstract |
本研究の最大の目的は歯科における再生療法へmechanical forceとしてレーザー治療を応用するために、in vivo, in vitroならびに多種のレーザーを利用した基礎実験のデータを集約し、今後のレーザー治療の新たな方向性を導きだすことである。これらの目的のために現在10人の研究分担者が歯随組織、筋肉組織、骨組織、歯根膜組織、を対象に炭酸ガスレーザーとEr.YAGレーザーを用いて細胞レベルでの影響を解析している。平成14年度は各研究者が実験系の確立ならびに準備期間とし、現在研究が進行中である。平成14年度に研究代表者に提出された研究成果は片山直、横瀬敏志(明海大学)および吉羽邦彦(新潟大学)であり、以下のとおりである。 1.ラットの骨格筋に炭酸ガスレーザーを照射し、その後の組織反応をMAPKのリン酸化の状態を組織化学的に検出した。その結果、細胞増殖時に増加するといわれているMAPKのリン酸化はレーザー照射することにより強く誘導されることが分かった。これは炭酸ガスレーザーの組織治癒促進効果のメカニズムの一つであることが分かった。 2.Er.YAGレーザーによる窩洞形成後の歯随細胞におこる変化を組織化学的に検索した。その結果、象牙芽細胞とcell-free zone, cell-rich zoneに存在する細胞にALP活性とDNAの断片化が経時的に確認された。これらの変化は歯科用タービンで形成した時とほぼ同じ変化であった。これらの結果は、Er.YAGレーザーが歯随細胞へ及ぼす影響を細胞レベルで示したものであり、齲蝕除去に十分適用できることを示唆している。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 田島直人, 横瀬敏志, 片山直 他: "ラット骨格筋細胞におけるMAPKの発現に及ぼすCO_2レーザーの影響について"日本歯科保存学雑誌. 45・(3). 583-590 (2002)
-
[Publications] K.Tanabe, K.Yoshiba, N.Yoshiba et al.: "Immunohistochemical study on pulpal response in rat molars after cavity preparation by Er.YAG laser"European Journal of Oral Sciences. 110. 237-245 (2002)