2004 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーの生体組織に対する細胞生物学的な影響を探る
Project/Area Number |
14207083
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
片山 直 明海大学, 歯学部, 教授 (10105596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横瀬 敏志 明海大学, 歯学部, 助教授 (90245803)
加藤 喜郎 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (20060452)
井上 廣 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (50067047)
堀場 直樹 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (33902602)
五味 一博 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (10178460)
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Keywords | レーザー / in vivo / in vitro / 骨芽細胞 / 線維芽細胞 / 細胞生物学的作用 / 再生療法 |
Research Abstract |
本年度は最終年度に当たるため、各研究分担者の研究の総括した内容を報告する。レーザーが持つ細胞生物学的な作用を、in vivoとin vitroに分けて研究を行い以下のような結果が得られた。 In vivo研究 1)炭酸ガスレーザーをラットの頸骨に体表面から照射し、骨膜表面ならびに骨髄での変化を形態学的に検索した。照射総エネルギー密度は1.1KJ/cm^2で照射後7日目に切片を作製した。ラットの骨膜ならびに骨髄中には類骨が形成され、骨形成が促進していることが骨形態学的計測により確認できた。これらの所見は炭酸ガスレーザーが骨再生療法へ応用できることを示唆している。 2)炭酸ガスレーザーをラットの臼歯に照射し、その後の歯髄の変化を光顕ならびに電顕レベルで観察し、炭酸ガスレーザーの硬組織への応用の可能性を調べた。0.7W,5秒の照射後1,3,5,7日目に試料とした。照射後、5日までは歯髄の細胞緻密層に炎症性変化がみられるが、7日目では象牙質の増生と神経の再生が確認できた。これらの所見により炭酸ガスレーザーが硬組織庇の応用が可能であることが示唆された。 In vitro研究 1)炭酸ガスレーザーと半導体レーザーを培養骨髄細胞へ低出力で照射し、骨芽細胞への分化と機能への作用を調べた。各ガスレーザーを2.6Wで照射したところ、骨芽細胞への分化への影響には変化がなかったが、骨芽細胞が石灰化する機能を亢進することが明かとなった。これらの結果は、炭酸ガスレーザーと半導体レーザーが骨再生へ応用可能であることを示唆している。 2)象牙質片の下で線維芽細胞を培養し、そこに炭酸ガスレーザーを照射し、温度変化と培養細胞の生存率を調べた。16,32Jの出力で照射したところ、温度変化が7℃以下であれば、細胞の生存率は90%以上を示した。これらの所見は炭酸ガスレーザーを根管内へ照射した時、殺菌作用を示す出力においても、歯根膜細胞へは影響しないことを示しており、炭酸ガスレーザーが根管治療に有用であることを示唆している。
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Research Products
(6 results)