Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 正司 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50014098)
大山 喬史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50064366)
赤川 安正 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00127599)
古谷野 潔 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50195872)
五十嵐 順正 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20107303)
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Research Abstract |
本年度は,平成15年度までに得られた結果を踏まえ,データベースシステムを完成させるとともに,補綴分野における臨床実績を評価するために以下の検討を行った. まず,これまでに開発されたデータ収集ソフトウェアを用い,実際に装着された部分床義歯およびその症例に関するデータを収集した.その項目は,義歯ならびに症例に関する項目として,(1)義歯装着経験年数,(2)患者の年齢・性別,(3)欠損歯数,(4)歯の欠損形態,(5)歯の欠損部医,(6)支台歯の状態,(7)残存歯の咬合状態,(8)欠損部顎堤の状態,(9)欠損部顎堤の対合歯の状態,(10)口腔内の状態,(11)筋の緊張度,(12)顎関節症の有無,(13)行った前処置,(18)義歯調整回数の18項目,処置を行った歯科医師に関する項目として,(1)日本補綴歯科学会認定医取得の有無,(2)臨床経験年数,(3)専門領域,(4)勤務場所の4項目の合計22項目とした. 次に,入力された全症例に対して,相対評価としての症例の難易度を決定し,入力された各項目が症例の難易度に及ぼす影響について解析を行った.その主な結果は以下の通りである. 1)義歯装着経験年数が長くなるほど難易度が上昇した. 2)欠損歯数が増加するほど難易度が上昇した. 3)咬合支持数の減少するほど難易度が上昇した. 4)ケネディー分類については,中間欠損であるIII級が他の欠損形態に比べて難易度が低かった. ちなみに,全部床義歯の難易度のデータの比較から,部分床義歯にくらべて全部床義歯の症例は難易度が高いことが明らかとなった. 今後、詳細な検討を行うことによって,症例の難易度を客観的に表すためのパラメータを検出できる可能性が示された.現在,プロジェクトチームとして,各大学において,それぞれ症例数の増加に努めるとともに,日本補綴歯科学会において検討されている症型分類との整合性も含めた詳細な検討を行っている.
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