2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14207087
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
細井 紀雄 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70064368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 和夫 奥羽大学, 歯学部, 教授 (90048546)
渡辺 誠 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80091768)
平井 敏博 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (80014273)
藤井 弘之 長崎大学, 歯学部, 教授 (20067060)
田中 貴信 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60014271)
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Keywords | 無歯顎補綴 / 客観的評価 / 咀嚼機能 / 正常有歯顎者 / 咀嚼効率 / 摂取可能食品アンケート / 最大咬合力 / 義歯支持基盤 |
Research Abstract |
顎堤吸収の予防,あるいは装着された義歯が顎堤吸収を進行させるメカニズムの解明は,無歯顎補綴学における最重要課題の一つであり,多くの研究がなされている.しかし,顎堤吸収の程度が治療後の咀嚼機能回復に及ぼす影響,換言すると,無歯顎顎堤形態と咀嚼機能との関連についての客観的な研究は僅かである. 本研究においては,無歯顎補綴治療効果の客観的評価基準を確立することを目的として,複数研究機関で同一方法によって,咀嚼機能評価関連パラメータの測定を実施した. 平成14年度は,正常有歯顎者を対象とした測定を実施し,複数機関の同一方法による咀嚼機能評価の基盤整備を行った.すなわち,正常有歯顎者152名を被験者として,咀嚼機能の評価および疑似義歯支持基盤の評価を行った.咀嚼機能は咀嚼効率,摂取可能食品アンケート,最大咬合力の3つの観点から評価した.咀嚼効率の測定においては,3グラムのピーナッツを試験食品とした篩分法を行い,4種類の篩上に残留したピーナッツ片の全量に対する5および10mesh通過量の百分率を評価指標とした.摂取可能食品アンケートにおいては,あらかじめ設定してある35品目からなる摂取可能食品アンケート表に対する摂取可能状況に対して,摂取難易度に応じて設定された係数を乗じることによって算出される咀嚼スコアを評価指標とした.最大咬合力については,デンタルプレスケールを用いて咬頭嵌合位における記録を行い,最大咬合力および接触面積を評価指標とした.疑似義歯支持基盤の評価に際しては,被験者の個人トレーを作製し,全部床義歯補綴治療時の筋圧形成に準拠した筋圧形成を行い,これによって得られた模型から疑似顎堤を製作し,レプリカ法を用いて疑似義歯支持基盤面積,体積,高さを測定した. 以上の測定結果から,全研究機関において上記評価が同様の条件で実施できる基盤が整備されたことが確認できた.なお,デンタルプレスケールを用いた測定はバラツキが大きかったため,その測定に際してさらなる規定を設定することとした.
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