2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウスを用いた大気からの変異原物質曝露の鋭敏な検出と影響評価
Project/Area Number |
14207100
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
青木 康展 独立行政法人国立環境研究所, 化学物質環境リスク研究センター, 室長 (20159297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 理 独立行政法人国立環境研究所, 化学物質環境リスク研究センター, 主任研究員 (60132867)
山本 雅之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50166823)
能美 健彦 国立医薬品食品衛生究所, 変異遺伝部, 室長 (30150890)
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Keywords | 変異原物質検出 / gpt deltaマウス / ディーゼル排気 / Nrf2ノックアウトマウス / benzo[a]pyrene |
Research Abstract |
第2相薬物代謝酵素の誘導レベルが著しく低下しているNrf2ノックアウトマウスに、in vivo突然変異を検出可能なgpt deltaトランスジェニックマウスをかけ合わせ、Nrf2ノックアウトgpt deltaマウスを作製し、第2相薬物代謝酵素の誘導のない条件における、変異原物質への感受性を定量的に明らかにした。Nrf2(-/-) gpt deltaマウス及びNrf2(+/-)gpt deltaマウスはNrf2(-/-)マウスとgpt deltaトランスジェニックマウスを複数回かけ合わせて作製した。変異原物質としては、ディーゼル排ガスに含まれる発がん性物質として知られているBenzo [a] pyrene (B[a]P)を用いた。7〜9週齢雄Nrf2ノックアウトgpt deltaマウスの肺に、B[a]P1を0mg(非投与群)又は1mgの用量で単回気管内投与し、投与14日後に肺を摘出し、肺のDNAを抽出した。 点突然変異の検出が可能な6-thioguanine selecyionによりgpt遺伝子に生じた突然変異体頻度を測定後、変異スペクトルの解析を行った。非投与群では、Nrf2(+/-)の突然変異体頻度が0.5±0.2×10^<-5>であるのに対し、Nrf2(-/-)では約3倍に上昇した。一方、B[a]Pを投与することで、Nrf2(+/-)群の突然変異体頻度は非投与のNrf2(-/-)群と同程度まで上昇し、さらにB[a]P投与Nrf2(-/-)群ではB[a]P投与Nrf2(+/-)群の約2倍に増加した。Nrf2をノックアウトすることで、B[a]投与・非投与ともに突然変異体頻度は有意に上昇した。B[a]p投与による主要な突然変異スペクトルは、Nrf2(+/-)及びNrf2(-/-)共にG : C→T : A変異であったが、標的遺伝子であるgpt遺伝子上で突然変異の発生した配列位置は、B[a]P投与Nrf2(+/-)群と非投与Nrf2(-/-)の間で有意に異なっていた。
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Research Products
(3 results)